サイゼリヤで人気の白ワイン「バケレット」は、中部イタリアのマルケ州で造られています。マルケ州はアドリア海に面した丘陵地帯で、地中海性気候の影響を受けながらも内陸部の大陸性気候も併せ持つ、ワイン造りに適した環境を持っています。
この地域は古くからワイン造りが盛んで、特に白ワインの生産に優れた条件を備えています。石灰質と粘土質が混在する土壌は、ブドウに豊かなミネラル感と適度な酸味をもたらし、エレガントで食事に合わせやすいワインが生まれる土台となっています。
マルケ州のワイン産業は家族経営の小規模なワイナリーが多く、伝統的な製法を大切にしながらも現代的な技術を取り入れることで、高品質なワインを生産し続けています。バケレットもそんなマルケ州の職人気質が生み出した逸品の一つなのです。
バケレットの原料となるベルデッキオは、マルケ州を代表する白ブドウ品種です。このブドウの名前は「緑っぽい」という意味のイタリア語「verde(ヴェルデ)」に由来しており、その名の通り完熟してもわずかに緑がかった色合いを保つことが特徴です。
ベルデッキオの特徴的な風味プロファイルは以下のようなものです。
これらの特徴により、ベルデッキオは食事との相性が非常に良く、特にシーフードや軽めの肉料理、フレッシュチーズを使った料理との組み合わせで真価を発揮します。バケレットは、このベルデッキオの魅力を最大限に引き出した仕上がりとなっています。
ソムリエの田邉公一さんによると、バケレットとマルゲリータピザの組み合わせは絶妙なペアリングだといいます。その理由は、マルゲリータの発祥地ナポリ周辺で造られるフィアーノという白ワインとバケレットのフレーバーが似ているからです。
マルゲリータピザとバケレットがよく合う理由。
このペアリングの成功の秘訣は、お互いの特徴を打ち消すのではなく、補完し合うことにあります。トマトソースの酸味がワインの酸味を引き立て、チーズのクリーミーさがワインの果実味を際立たせるのです。
バケレットはマルゲリータピザ以外にも、サイゼリヤの様々なメニューと素晴らしいマリアージュを見せてくれます。特におすすめの組み合わせをご紹介します。
フレッシュチーズとトマトのサラダ(カプレーゼ)
モッツァレラチーズの濃厚さとトマトの酸味が、バケレットの果実味と酸味と絶妙にマッチします。オリーブオイルの風味も加わって、まさに地中海の味わいが口いっぱいに広がります。
エスカルゴのオーブン焼き
ガーリックバターの濃厚な味わいに、バケレットの清涼感が心地よいコントラストを生み出します。ハーブの香りも相乗効果でより豊かになります。
ブルスケッタ風の楽しみ方
ミニフィセル(バゲット)にミラノサラミやフレッシュチーズをのせ、オリーブオイルを垂らした即席ブルスケッタとバケレットの組み合わせも絶品です。パンの香ばしさとワインの果実味が絶妙な調和を見せます。
バケレットの魅力を最大限に引き出すためには、適切な温度管理とグラスの選択が重要です。田邉公一さんは「キンキンに冷やすと香りの個性を抑えてしまう」と指摘しています。
理想的な飲み頃温度
グラスの選び方
白ワイン用のやや小ぶりなボウル型グラスがおすすめです。香りを集中させながらも、適度に開放感があるものを選びましょう。サイゼリヤでも、グラスを軽く回して香りを楽しんでから飲むと、より一層バケレットの魅力を感じられます。
また、バケレットは¥2,200という価格でありながら、¥5,000-6,000のポテンシャルを持つ高品質なワインです。この価格帯のワインとしては非常にコストパフォーマンスが高く、ワイン愛好家からも高い評価を受けています。