芝生を張って2〜3年が経過すると、「なんだか元気がなくなった気がする」と感じる方は少なくありません。土が踏み固まり、根が酸素や水を吸えなくなっているサインです。そのとき必要になるのが「エアレーション」という作業なのですが、じつは多くの方がタイミングを間違えています。
エアレーションを夏にやると、芝の根が紫外線ダメージで回復できず、青々とした庭が茶色い荒れ地に変わります。
芝生はほかの植物と異なり、一度仕上げてしまうと土を耕すことができません。何度も踏まれたり、根が密集したりすることで、地面は少しずつ固くなっていきます。その結果、根は酸素も水も栄養も受け取りにくくなり、やがて芝の生育が鈍化します。これが「エアレーション」が必要な理由です。
エアレーションとは、専用の道具を使って芝地に穴を開ける更新作業のことで、土壌の通気性・通水性を改善します。つまり根が「呼吸」できる環境を取り戻す作業です。
エアレーションの適切な時期は、芝生の種類によって異なります。ここが多くの方が見落としているポイントです。
暖地型芝生(高麗芝・姫高麗芝・野芝など)の適期:
- 春:3月中旬〜6月下旬(地温が15℃以上になる頃)
- 秋:9月頃
- NG:7〜8月の真夏・12〜2月の冬(休眠期)
寒冷地型芝生(ベントグラス・ケンタッキーブルーグラスなど)の適期:
- 春:3月中旬〜6月中旬(地温5℃以上)
- 秋:9月中旬〜10月末
- NG:22℃以上が続く真夏
日本の庭に最も多く使われる高麗芝は暖地型です。つまり春と秋に年2回というのが基本です。
特に、梅雨入り前の5月はベストタイミングと言われています。梅雨の雨が降る前に土壌の通気性を確保しておくことで、多湿による根腐れや病気のリスクを大幅に下げることができます。秋のエアレーションは冬の休眠前の最後のメンテナンスとして捉えるとわかりやすいです。
また、芝を張り始めたばかりの時期(2年未満)はエアレーションは不要です。根がまだ定着していない段階で穴を開けると、かえってダメージを与えてしまいます。つまり「2年経過後から」が原則です。
バロネスダイレクト|芝生のエアレーションをする時期っていつ?(種類別の時期の詳細解説)
エアレーションには正しい手順があります。闇雲に穴を開けるだけでは効果が半減するだけでなく、芝生を傷める原因にもなります。これは使えそうです。
まず作業前には必ず「芝刈り」をしておくことが大切です。草丈が短い状態のほうが穴を開けやすく、後から入れる目土も芝の隙間に入り込みやすくなります。
エアレーションの作業手順:
1. ✂️ 芝刈り(草丈を短くしておく)
2. 🌱 サッチング(枯れ草の残骸を取り除く)
3. 🕳️ 穴あけ(間隔7cm以下・深さ10cm目安)
4. 🧹 抜いた土の回収(ホウキやブロワーで清掃)
5. 🪣 目土(目砂)入れ(2〜3mm薄く均一に)
6. 💧 水やり(たっぷりと)
穴の間隔は7cm以下が効果的な目安で、密度を高めたい部分は5cm程度まで詰めても構いません。穴の深さは10cmが基本ですが、水切れが激しい場合や土壌が固い場合は15cmまで深く入れることで、より高い改善効果が期待できます。15cmというのは、だいたい大人の手の平の長さに相当します。
道具の選び方も重要です。
| 道具 | 特徴 | 価格目安 |
|------|------|----------|
| ガーデンスパイク | 靴に付けて歩くだけ、初心者向け | 1,500〜3,000円 |
| ローンスパイク | ピンポイントで力を込めて刺す | 1,500〜3,000円 |
| ローンパンチ | 土をかき出せる、高効果 | 2,000〜3,000円 |
| タインエアレーター | 業務用相当の強度、本格派向け | 25,000円前後 |
| 鎮圧ローラー | 転がすだけ、広範囲向け | 11,000〜26,000円 |
初めてエアレーションに挑戦する方には、まずローンスパイク(1,500〜3,000円)から入るのがおすすめです。土壌の状態がよければこれで十分な効果が得られます。
なお、「木の近くはエアレーションしない」というルールも覚えておきましょう。木の根は見た目より浅いところまで伸びており、半径2m以内でのエアレーションは根を傷つけるリスクがあります。
EPARKレスキュー|芝生のエアレーションに適した時期とは?おすすめの道具や方法についてもご紹介
エアレーションを頑張ってやったのに、目土(目砂)を入れないとどうなるか。答えは単純で、穴の周辺の根が直射日光にさらされて乾燥し、最悪の場合そのまま枯れてしまいます。穴がボコボコに開いたまま放置された状態の芝生は、見た目にも悲惨です。
目土しないことの最悪の結末。これだけ覚えておけばOKです。
目土の量は「2〜3mm」という薄さを均一に入れるのが正解です。厚く入れすぎると芝が埋まってしまい、呼吸できずに弱ります。刷り込みブラシやトンボを使って、穴の中に砂が入り込むよう丁寧にすり込みましょう。
水はけが悪い土壌の場合は、普通の目土ではなく「目砂(川砂)」を使うと排水性が改善されます。目砂を使うことで、土の粒子の間に隙間が生まれ、水が地中へ均一に浸透しやすくなります。
また、エアレーション後に芝が一時的に茶色く枯れたように見えることがありますが、焦る必要はありません。成長が旺盛な季節なら2〜3週間で回復します。回復後は根切りで刺激を受けた古い根の代わりに新しい根が伸び始め、芝の密度が上がります。そのまま見守るのが正解です。
目土を入れた後の水やりも忘れないようにしましょう。目土が穴にしっかりと入り込むよう、たっぷりと水をかけることで作業が完了します。
セゾンカード生活情報|元気な芝生を保つエアレーションとは?適した時期や効果などを紹介(目土・注意点の詳細)
「効果があるなら何度でもやればいい」と考えがちですが、エアレーションはやりすぎると逆効果になります。厳しいところですね。
エアレーションの実態は「根に傷をつける作業」です。根に適度な刺激を与えることで新陳代謝が促され、新しい根が伸びてくる、という仕組みです。しかし、必要以上に根を傷つけると、芝は回復が追いつかず弱ってしまいます。
適切な頻度は年1〜2回です。土壌の状態がよければ年1回でも十分で、特に問題がない場合は春か秋どちらか1回だけでも効果があります。
更新作業(春)の流れは以下の順番で行うと効果が最大化されます。
1. 低刈り(冬の枯れ葉をリセット)
2. サッチング(枯れ草残骸の除去)
3. エアレーション(土壌の通気性改善)
4. 目土入れ(根の保護)
5. 施肥(成長促進)
この順番を守ることが大切です。エアレーションで開けた穴に肥料成分が直接届くようになるため、施肥の効果も高まります。
また、エアレーション後の約1ヶ月は除草剤の使用を控えることをおすすめします。根が傷ついた状態で除草剤を使用すると、芝そのものにダメージが及ぶリスクがあるためです。根切りを行った前後1ヶ月は除草剤なしが条件です。
サッチが1cm以下の場合はサッチングをスキップしてもよいですが、エアレーションは原則として毎年の春に必ず1回は実施しましょう。
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道具がない、体力に自信がない、芝の状態がよくわからない、という方はプロへの依頼も選択肢のひとつです。意外ですね。
専門業者にエアレーションを依頼した場合の費用相場は、1平米あたり2,500〜3,000円が目安です。たとえば10平米の庭なら25,000〜30,000円、20平米なら50,000〜60,000円になる計算です。広い庭の場合はDIYとの費用差が大きくなります。
ただし、業者に依頼する場合のメリットは費用換算できないものも含まれます。
- プロによる土壌状態の診断
- 目土・施肥のセット対応
- 道具の購入・保管が不要
- 作業の失敗リスクがゼロ
自分でやる場合の費用は、ローンスパイク(約2,000円)+目土(10kg×3袋で約1,500〜2,000円)+水代程度です。道具さえ揃えれば毎年かかるのは目土代のみになるため、継続的に管理する意欲がある方はDIYのほうがコスパは高くなります。
費用を安くしたい場合は、複数業者から見積もりを取り、最低3社を比較することが鉄則です。また、くらしのマーケットなどのプラットフォームでは口コミと価格を同時に比較できるため、初めての依頼にも安心です。
業者選びの際は「作業後の回収・清掃が含まれているか」も確認ポイントになります。エアレーションで抜いた土や根の処理は思った以上に手間がかかるため、セットで対応してくれる業者のほうが実質的なコスパがよい場合があります。
芝生の状態が特に悪い場合や、初めてエアレーションを検討している場合は、まずプロに診てもらい、その後DIYに切り替えるという順番も賢い選択です。
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