スカローラ野菜をサイゼリア好きが自宅でも楽しむ方法

サイゼリア好きなら気になる「スカローラ」はイタリアでは定番の冬野菜。その正体・栄養・美味しい食べ方を徹底解説。あなたは自宅でスカローラを活かせていますか?

スカローラとはどんな野菜か、食べ方から栄養まで徹底解説

スカローラをレタス代わりにサラダで生食していると、栄養の半分以上を損しています。


🥬 この記事でわかること
🇮🇹
スカローラとは?エンダイブとの違い

キク科のイタリア野菜で、エンダイブの広葉タイプ。チコリやラディッキオの仲間でほろ苦さが特徴。見た目はレタスそっくりだが、別物。

💪
栄養・健康効果

食物繊維はレタスの約2倍。カリウム・葉酸・β-カロテン・鉄分が豊富で、むくみ解消・腸活・美肌などに役立つ万能野菜。

🍳
美味しい食べ方・レシピ

ナポリ風のクタクタ煮「ストゥファータ」やパスタ、グラタンなど加熱調理が本場流。苦みが苦手な人でも食べやすくなる下処理のコツあり。


スカローラ野菜の正体:エンダイブ・チコリとの関係


「スカローラ」という名前を初めて聞く人でも、サイゼリアのような本格イタリアンの料理に触れたことがあれば、実は間接的に出会っている可能性があります。スカローラ(scarola)は、イタリア語で「エンダイブ(広葉タイプ)」を指す言葉で、植物分類上はキク科キクニガナ属の葉野菜です。


日本でも「エンダイブ」の名称で流通しているものはありますが、一般的なスーパーで見かけるタイプは葉先が縮れてギザギザした「カーリーエンダイブ(インディヴィア・リッチャ)」がほとんど。スカローラはこれとは別に分類される葉の縮れがない「広葉タイプ(インディヴィア・リッシャ)」で、より肉厚でマイルドなほろ苦さが特徴です。


同じキク科の仲間には、白菜のような形の「チコリ(アンディーブ)」、紫色でシェフに人気の「ラディッキオ(トレビス)」などがいます。どれも独特の苦みを持つ点が共通しており、加熱調理や油脂との相性に優れているのが特徴です。


見た目はふんわりとしたサニーレタスに近く、葉がやや肉厚。チコリの仲間ということですね。外側の緑の葉ほど苦みが強く、中心部に近い黄緑〜クリーム色の葉は苦みが穏やかで生でも食べやすいという特性があります。


古代エジプトやギリシャ、ローマ時代から薬草・食用として栽培されてきた歴史ある野菜でもあります。イタリアでは「インディヴィア(indivia)」という名で、どのスーパーでも普通に並ぶ定番野菜。一方、日本ではまだ生産量が少なく、こだわりの八百屋やオンライン産直サービス、またはトキタ種苗などが販売する種を使った家庭菜園で楽しむのが主流です。


【エンダイブ/スカローラとは?】本場イタリアの食べ方とレシピ集 — イタリア在住筆者による詳細なエンダイブ・スカローラの解説


スカローラ野菜の栄養価:食物繊維・カリウム・β-カロテンの実力

スカローラが「ただのレタスっぽい野菜」と思われがちな理由の一つは、見た目の似やすさにあります。しかし栄養面では、スカローラはレタスを大きく上回るポテンシャルを持っています。これは知らないと損する情報です。


まず注目すべきが食物繊維の量。スカローラには、一般的な玉レタス(100gあたり約1.1g)の約2倍の食物繊維が含まれているとされています。食物繊維は腸内の善玉菌のエサになる水溶性と、便のカサを増やして腸の動きを活発にする不溶性の2種類がバランスよく含まれており、腸活を意識している人には嬉しい素材です。


次にカリウム。外食やファストフードが多い現代人にとって、カリウムの補給は塩分過多な食生活のリセットに役立ちます。カリウムは余分なナトリウム(塩分)を尿として排出を促し、むくみや血圧上昇の予防に貢献します。カリウムが条件です。


さらにβ-カロテン(体内でビタミンAに変換される)、葉酸、ビタミンK、鉄分も含まれており、皮膚・粘膜の健康維持、貧血予防、骨密度の維持など多角的な効果が期待されます。なお、β-カロテンは脂溶性のため、オリーブオイルなどと一緒に調理すると吸収率が大きくアップします。この点が、スカローラを「炒める・煮る」イタリア料理の食べ方と栄養面でもぴったり合っている理由です。


| 栄養素 | 主な働き | ポイント |
|---|---|---|
| 食物繊維 | 腸活・整腸 | レタスの約2倍 |
| カリウム | むくみ・血圧対策 | 塩分の多い食事に有効 |
| β-カロテン | 皮膚・粘膜・抗酸化 | 油と一緒に摂取で吸収UP |
| 葉酸 | 貧血予防・細胞形成 | 特に妊娠期に重要 |
| ビタミンK | 骨の健康維持 | 緑の葉に多い |
| 鉄分 | 貧血予防 | 加熱後でも残存 |


生食だと栄養が最大化されそうなイメージがあるかもしれませんが、β-カロテンのように油と加熱で吸収率が跳ね上がる栄養素がある以上、スカローラを「加熱して食べる」というイタリアのやり方は栄養学的にも理にかなっています。意外ですね。


スカローラ野菜の苦みをとる下処理のコツ:水さらし・塩茹でのポイント

スカローラの苦みが苦手、という声はよく聞きます。ただ、この苦みは正しい下処理ひとつで大きく和らげられます。これだけ覚えておけばOKです。


まず最もシンプルな方法が「冷水にさらす」こと。葉を1枚ずつ丁寧に洗ったあと、冷たい水に15〜20分ほど浸けておくだけで、苦味成分(イントゥビンなどのポリフェノール系成分)の一部が水に溶け出して穏やかになります。同時に葉がシャキッとして食感も引き立ちます。


もう一段階落としたい場合は「塩茹で(ブランチング)」が効果的です。沸騰したお湯にひとつまみの塩を加え、スカローラを1〜2分ほど茹でたら、すぐに冷水に取ります。このひと手間で苦みがかなりマイルドに。色も鮮やかな緑を保てるので、見た目の仕上がりも良くなります。


ただし、茹ですぎは禁物です。スカローラ最大の魅力である「シャキシャキした食感」が失われてしまいます。目安は約1分。タイマーを使って時間を管理するのがベストです。


下処理後の炒め工程でもポイントがあります。ニンニク唐辛子を効かせたオリーブオイルとの組み合わせは、苦みをうまくマスキングしてくれる「香りの壁」になります。アンチョビを加えると旨みが増してさらに食べやすくなります。


外側の緑の葉ほど苦みが強く、中心部の白〜黄緑色の葉ほど苦みが穏やかです。サラダにする場合は中心部の柔らかい葉を使い、外側の葉は炒め物や煮込み用に分けて使うと無駄なく活用できます。野菜を部位ごとに使い分けるのはイタリア家庭料理の基本です。


イタリアの野菜で苦いものといえば何?ほろ苦野菜を美味しく調理するコツ — 苦み野菜の下処理と調理テクニックの具体的な解説


スカローラ野菜を使ったナポリ伝統料理:ストゥファータとピッツァ・ディ・スカローラ

スカローラが最も輝くのは、加熱したときです。イタリア・ナポリでは古くからスカローラを加熱調理して食べる文化が根付いており、代表的な料理が2つあります。


ひとつが「スカローラ・ストゥファータ(Scarola stufata)」、直訳すると「スカローラのクタクタ煮」です。ニンニク・唐辛子・アンチョビを効かせたオリーブオイルで、スカローラをとろとろになるまで蒸し煮にする料理で、シンプルながら旨みが凝縮した仕上がりになります。アンチョビの塩気と旨み、オリーブの酸味と塩気、ときにレーズンの甘さが加わることで、複雑な味の層が生まれます。


もうひとつが「ピッツァ・ディ・スカローラ(Pizza di scarola)」。ナポリでは、毎年12月24日(クリスマスイブ)に必ず食べる伝統料理です。「ピッツァ」と呼ばれますが、実際には円形のパイ生地(またはブリゼ生地)でスカローラのフィリングを包んで焼く「塩味のセイボリーパイ」のような料理。スカローラ1㎏を下茹でして炒め、オリーブ・ケイパー・レーズン・松の実・アンチョビと合わせてフィリングを作り、生地に包んで200℃のオーブンで20〜25分ほど焼き上げます。


この料理の特徴はフィリングの組み合わせの妙で、苦み(スカローラ)・甘み(レーズン)・塩気(アンチョビ・ケイパー)・酸味(オリーブ)・香ばしさ(松の実)という5つの味覚要素が一皿に凝縮されています。まさに南イタリア料理の真骨頂です。


日本のサイゼリアファンがイタリアン料理の野菜の使い方に魅力を感じているなら、このストゥファータは家庭で再現しやすい最初の一品です。材料はスカローラ・ニンニク・アンチョビ・オリーブオイルと最低限シンプル。特別な調理器具も不要で、深めのフライパンひとつで完成します。


【ナポリ風スカローラ】ナポレターノが大好きなクタクタ煮 — ナポリ料理研究家によるストゥファータの詳細レシピと背景


スカローラ野菜を日本で手に入れる方法と旬の時期【サイゼリア好き必見】

「スカローラを食べてみたい」と思っても、一般的なスーパーではなかなか見かけません。これが日本でのスカローラ普及の最大のネックです。厳しいところですね。


スカローラの旬は、11月〜3月頃の冬場です。寒さにさらされることで葉の苦みが和らぎ、甘みが増して美味しくなります。産地としては埼玉県などで栽培されており、一部の農家がイタリア料理店への業務供給や個人向けに直販しています。


日本でスカローラを入手する主な方法は、大きく3つあります。


- 🛒 こだわり系スーパー・デパ地下の野菜売り場:成城石井やイオンのグリーンアイなど、輸入野菜や国産イタリア野菜を扱う店舗で見かけることがある。エンダイブの広葉タイプとして流通している場合も多い。


- 📦 産直・オンラインショップ:「ポケットマルシェ」や「食べチョク」などの産直ECでは、スカローラを栽培している農家から直接購入できる場合がある。BACCHETTE E POMODORO(イタリア野菜生産者・販売所リスト)でも国内の取扱い農家情報がまとまっている。


- 🌱 家庭菜園で自分で育てる:トキタ種苗が販売している「グストイタリア スカローラ」の種(約1,200円〜)を使えば、自宅で育てることも可能。春(3〜5月)と秋(9〜10月)の年2回が種まきの適期で、初心者でも比較的育てやすい品種です。プランター栽培にも対応しており、65cmサイズのプランターで3〜4株程度を栽培できます。


家庭菜園の場合、植え付けからおよそ2ヶ月後(株の直径が25〜30cmほど=A4用紙の長辺くらい)が収穫のサインです。外側の葉からかき取っていく方法を使えば、1株から長期間にわたって少しずつ収穫できます。自分で育てた採れたてのスカローラは格段に鮮度が高く、風味も豊かです。


イタリア野菜生産者・販売所リスト — 日本全国のスカローラを含むイタリア野菜の生産・販売農家リスト


トキタ種苗オンラインショップ スカローラ種 — 家庭菜園向けスカローラ(エンダイブ)の種の公式販売ページ


サイゼリア好きが知っておきたい:スカローラ野菜とイタリア料理の深いつながり

サイゼリアをよく利用する人は、低価格でも本格的なイタリアの食文化を感じられるメニューに魅力を感じている方が多いはずです。実はサイゼリアでは「野菜追加でバランス良く」という食事提案を公式サイトで打ち出しており、イタリアの家庭料理の食べ方そのものを体験できる場として設計されています。これはいいことですね。


イタリアの家庭料理では、プリモ(パスタ・リゾット)やセコンド(肉・魚のメイン)に必ずと言っていいほど野菜のコントルノ(付け合わせ)が添えられます。スカローラのストゥファータは、このコントルノの定番中の定番。チキンのソテーや白身魚の料理に添えれば、たちまちナポリの食卓の雰囲気を家庭で演出できます。


スカローラは「アンチョビ×オリーブオイル×ニンニク」という三角形の組み合わせと最高に相性がいい野菜です。これはサイゼリア料理の香りの基本構造とも重なります。ペペロンチーノのベースとなるオーリオ・エ・アーリオ(オリーブオイルとニンニク)にスカローラを合わせれば、それだけで立派なパスタのソースになります。


また、スカローラの「苦みと甘みが共存する風味」は、イタリア料理特有の「苦いものを美味しく食べる文化」の体現でもあります。ラディッキオ、チコリ、スカローラといったほろ苦い野菜を上手に使うことで、脂っこいメイン料理を食べた後の口の中をリセットする効果もあると、南イタリアの食文化研究では指摘されています。


日本ではまだ認知度が低いスカローラですが、近年はイタリア料理ブームや家庭菜園ブームの波に乗って、少しずつ栽培・消費量が増えています。サイゼリアのメニューを通してイタリア料理の魅力に気づいた人が、次の一歩として「スカローラを自分の家庭料理に取り入れる」という流れは、実はとても自然な進化です。


まずはストゥファータ(クタクタ煮)を一度試してみてください。スカローラ1株・ニンニク1片・アンチョビ2〜3枚・オリーブオイル大さじ3、これだけ揃えれば今夜にでも作れます。結論は「試してみるのが一番」です。


スカローラの美味しい食べ方|ほろ苦さがクセになる!定番料理から極ウマオーブン焼き3種 — 実際にシチリア在住の筆者が作るスカローラの具体的レシピ集




野菜のタネ スカローラ