ボルロッティ豆は、加熱しても模様が完全に消えないと思っていたなら、実は火を通すと斑点がほぼ消えてしまい、見た目がガラッと変わります。
「ボルロッティ豆」という名前を聞いて、どこか遠いヨーロッパの珍しい食材をイメージする人は少なくありません。しかし正体はシンプルで、日本で「うずら豆」と呼ばれてきたインゲン豆の一種です。表皮にうずらの卵に似た赤褐色の斑点模様がある点が名前の由来で、イタリア語ではそのまま「borlotti(ボルロッティ)」と呼ばれ、パスタやスープの定番具材として全土で親しまれています。
意外なことに、この豆は輸入品だけではありません。国内の主要産地は北海道(十勝・上川・石狩地方)で、明治時代に北米産の種子が持ち込まれて以来、栽培が続けられています。つまり「サイゼリヤ的イタリアンの食材」でありながら、実は国産品が存在する豆でもあるのです。
| 名称 | イタリア語名 | 仲間 | 主な産地 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| うずら豆 | Borlotti | インゲン豆 | 北海道(十勝など) | 煮豆・甘納豆・スープ |
| 金時豆 | Kidney Bean | インゲン豆 | 北海道 | チリコンカン・煮豆 |
| ひよこ豆 | Ceci | マメ科 | インド・メキシコ | フムス・カレー |
「うずら豆」という名前は日本の和菓子・煮豆文化に馴染んでいる一方、「ボルロッティ豆」はイタリアン文脈で使われる呼称です。同じ豆なのに別の顔を持つという点が、この食材の面白さの一つです。これだけ覚えておけばOKです。
ちなみに、加熱すると表面の美しい斑点模様はほとんど消え、皮がクリーム色~薄茶色に変わります。見た目が変わるからといって別の豆になるわけではなく、風味・栄養は変わりません。気にしなくて大丈夫です。
参考:うずら豆(ボルロッティ)の基本情報(業務用食材プラットフォーム・八面六臂)
うずら豆(ボルロッティ) – 八面六臂
ボルロッティ豆(水煮)100gあたりのカロリーは約68kcalです。これはご飯(白米)100gのカロリーが約168kcalであることと比べると、実に4割以下というレベルになります。ダイエット中の食事量の置き換えや、サイゼリヤで食べた後の罪悪感をなくしたい日の補食として向いています。
豆類全般の栄養の特徴として、たんぱく質が約17〜26%と豊富でありながら、脂質は約2%しか含まない点が挙げられます。肉や魚に匹敵するタンパク源でありながら、食物繊維まで含むのが豆類の強みです。食物繊維が豊富な食材というと野菜のイメージが強いですが、実は豆類は食物繊維量が野菜を大きく上回るケースも多くあります。
注目すべきはGI値の低さです。インゲン豆のGI値はゆでた状態で25前後と非常に低く、白米(GI値84前後)と比べると3分の1以下になります。2025年11月に公表されたシステマティックレビューでも、非油糧豆類(インゲン豆・ひよこ豆・レンズ豆など)を摂取した場合に食後血糖値とインスリン反応が有意に低下することが確認されています。つまり、豆類はGI値の観点からも優秀な食材ということです。
サイゼリヤに行くたびについつい食べ過ぎてしまう……という状況を感じている人にとって、ボルロッティ豆を加えた料理は血糖値の急上昇を抑えるという意味で、身体への負担を和らげる一手になります。
参考:豆類が食後血糖値・インスリン反応を低下させることを示したシステマティックレビュー(CareNet)
非油糧豆類の摂取、食後の血糖値・インスリン反応を低下させる – CareNet
ボルロッティ豆には主に「乾燥豆」と「水煮パック(缶詰)」の2種類があります。どちらを選ぶかで準備の手間がまったく変わります。乾燥豆は価格が安く風味も濃い一方、使う前日から水に浸す必要があります。水煮タイプは開封してそのまま使えます。
乾燥豆を使う場合の手順は次のとおりです。
乾燥豆が一晩以上水に浸かるとかえって煮えにくくなることがあります。浸水は最長でも12時間を目安にするのが原則です。
一方、水煮パックを使う場合は下処理がほぼ不要です。モンテ物産が取り扱うイタリアブランド「チリオ」のボルロッティ(うずら豆)水煮(380g入りテトラパック)は、塩のみで味付けされた自然な味わいが特徴で、開封してそのままサラダに混ぜるだけでもサイゼリヤ風の一皿が完成します。楽天市場などの通販や一部の輸入食品店で購入可能です。
乾燥豆と水煮缶、どちらを選べばいいか迷ったら次の基準が参考になります。「時間がある週末はコストを抑えた乾燥豆、平日の素早い一品なら水煮缶」というシンプルな使い分けで十分です。
参考:チリオ ボルロッティ(うずら豆)水煮の商品情報(モンテ物産)
チリオ – モンテ物産
「パスタ・エ・ファジョーリ(Pasta e Fagioli)」はイタリア語で「パスタと豆」を意味します。北から南まで全土に存在する家庭料理で、特に北イタリアではボルロッティ豆を使ったバージョンが定番です。サイゼリヤが提供するイタリア料理の文脈に直結する一品であり、「あの店の雰囲気を家で出したい」と思っているサイゼリヤファンにとって、作り甲斐のある料理です。
材料は以下のとおりです(2人分の目安)。
作り方のポイントは豆を一部潰してとろみを出すことです。全部の豆をそのまま使うのではなく、煮込みの途中でスプーンやフォークで豆の3分の1ほどを粗く潰すと、スープ全体が自然にとろりとします。これがイタリアの家庭料理らしさを生む工夫で、ミネストローネとは異なる、濃厚なコク感につながります。これは使えそうです。
仕上がりにオリーブオイルをひと回しかけると風味が引き締まります。サイゼリヤのメニューでよく感じる「素材の旨みが溶け込んだスープ感」は、このひと手間で一気に近づきます。食べ応えを出したい場合はパスタを少し増やすか、水煮豆をもう半パック追加するのが手軽な調整方法です。
参考:パスタ・エ・ファジョーリのレシピ詳細(モンテ物産)
パスタ・エ・ファジョーリのレシピ – モンテ物産
ここまでのレシピはミネストローネやパスタへの活用が中心でした。しかし「サイゼリヤ好き」という視点で考えると、もう一歩踏み込んだ使い方ができます。サイゼリヤでは「柔らか青豆の温サラダ」が人気前菜として定番になっていますが、あの「温かい豆のサラダ」という発想をボルロッティ豆で応用できます。
たとえば、ボルロッティ豆(水煮)に塩・コショウ・オリーブオイルを和えて温めるだけで、サイゼリヤ風の温豆サラダが3分で完成します。温泉卵とすりおろしたペコリーノチーズを乗せると、サイゼリヤの「あの一皿感」がより近づきます。手軽な一品です。
さらに、サイゼリヤのパスタメニューの真似をするときに応用が利くのがこの豆の「かさ増し力」です。ペペロンチーノやトマトソースのパスタに水煮ボルロッティ豆を大さじ2〜3杯分加えるだけで、タンパク質と食物繊維が増え、少ないパスタ量でも腹持ちが格段によくなります。
サイゼリヤ好きな人の多くは「料金のわりに本格的なイタリアン体験ができる」ことに価値を感じているはずです。ボルロッティ豆はその感覚を自宅に持ち込むための、最もコストパフォーマンスの高い食材の一つです。水煮パック1個が数百円以内で買えながら、複数の料理に活用できる点は、コスパを重視するサイゼリヤファンの感覚と相性が良いと言えます。
保存の面でも扱いやすいのが特徴です。乾燥豆は未開封で約12ヶ月保存でき、水煮パックも開封後は密閉容器に移して冷蔵3〜4日・冷凍なら2〜3ヶ月維持できます。まとめて茹でておいて冷凍ストックしておけば、忙しい平日でも即使えます。保存が効く食材というのは、キッチンの強い味方ですね。
参考:豆類の栄養・健康効果についての詳細(公益財団法人 日本豆類協会)
豆の栄養 – 公益財団法人 日本豆類協会