イタリア中部モリーゼ州のワイン一覧サイゼリア好き必見ガイド

イタリア中部モリーゼ州の隠れた宝石とも言える土着品種のワインや、サイゼリアでは味わえない本格的な郷土ワインの魅力を徹底解説。あなたはこれらの珍しいワインを試してみたいと思いませんか?

イタリア中部モリーゼ州のワイン

モリーゼ州ワイン完全ガイド
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土着品種ティンティリア

モリーゼ州でのみ栽培される幻の黒ブドウ品種

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標高200m以上の丘陵地帯

寒暖差による凝縮度の高い高品質ワイン

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DOC認定銘柄

ビフェルノ・ペントロ・ティンティリア・デル・モリーゼ

イタリア中部モリーゼ州の地理的特徴とワイン産地

モリーゼ州は1970年にアブルッツォ州から分離して誕生したイタリアで最も新しい州で、東をアドリア海に面し、北はアブルッツォ、西はラツィオ、南はカンパーニアとプーリアに接する小さな州です。
州都はカンポバッソで、アペニン山脈に抱かれた美しい風景が特徴的です。この地域の気候は海岸部と内陸部で大きく異なり、海岸部は地中海性気候で温暖、内陸部は大陸性気候で季節や一日の中での気温変化が大きくなっています。
地形とテロワールの特色

  • 州の約70%が山岳・丘陵地帯
  • 標高200m以上の丘陵地帯が主要栽培地
  • 軽石が混ざる水はけの良い土壌
  • 日夜と夏冬の寒暖差が大きく、凝縮度の高いワインを生産

モリーゼ州には2つの主要な生産地域があります。北部のAlto Molise(イセルニア県)は伝統的なブドウ栽培が行われ、DOCペントロ・ディ・イセルニアが生産されています。南部のBasso Molise(カンポバッソ県)は機械化が進み、DOCビフェルノのワインが量産されています。

イタリア中部モリーゼ州の土着品種と特徴

モリーゼ州のワイン造りは古代から行われており、現在では隣接する州の文化が交わる独特な品種構成を持っています。
代表的な黒ブドウ品種

  • ティンティリア(Tintilia):18世紀にスペインから伝わったとされ、現在はモリーゼ州でのみ栽培される希少品種
  • モンテプルチアーノ(Montepulciano):アブルッツォ州由来の品種
  • アリアニコ(Aglianico):カンパーニア州由来の力強い品種
  • サンジョベーゼ(Sangiovese):中部イタリアの代表品種

主要な白ブドウ品種

  • ファランギーナ(Falanghina):カンパーニア州由来の芳香品種
  • トレッビアーノ・トスカーノ(Trebbiano Toscano):イタリア全土で栽培
  • グレコ(Greco):古代からの伝統品種
  • ボンビーノ・ビアンコ(Bombino Bianco):プーリア州やラツィオ州でも栽培

ティンティリアは特に注目すべき品種で、その名前はスペイン語で「赤」を意味する「ティント(tinto)」に由来し、深い赤色のワインが特徴です。一時期は生産量の多い他品種に押されて栽培面積が激減しましたが、現在は品質が再評価され、モリーゼ州のアイデンティティを象徴する品種として注目されています。

イタリア中部モリーゼ州のDOC認定ワイン一覧

モリーゼ州には4つのDOC(統制原産地呼称)が認定されており、それぞれ異なる特徴を持っています。
DOCビフェルノ(Biferno DOC) - 1980年代誕生

  • 産地:カンポバッソ県の低い丘陵地帯
  • タイプ:赤、白、ロゼの3種類
  • 主要品種:モンテプルチアーノ、トレッビアーノ
  • 特徴:地中海気候による果実味豊かなワイン

DOCペントロ・ディ・イセルニア(Pentro di Isernia DOC) - 1980年代誕生

  • 産地:イセルニア県のアペニン山脈近郊
  • 気候:夏は暑すぎず乾燥、ブドウ栽培に適した環境
  • 特徴:伝統的な手法による高品質ワイン

DOCモリーゼ(Molise DOC) - 2000年前後誕生

  • 州全体をカバーする広域DOC
  • 多様な品種によるワイン生産が可能
  • 品種:トレッビアーノ・トスカーノ、ペコリーノ、ティンティリア、モンテプルチアーノ

DOCティンティリア・デル・モリーゼ(Tintilia del Molise DOC) - 2011年認定

  • モリーゼ州を代表する最重要DOC
  • 品種:ティンティリア100%使用
  • 特徴:野性味が強く、果実味がしっかりした濃い色合い
  • タンニン豊富でスパイシー、ハーブの香りを感じさせる

これらのDOCワインは、アリアニコ、グレコ、ファランギーナ、ティンティリア、モスカートなど多彩なブドウ品種を使用し、地域の気候や土壌による影響を受けた独自のワインを生み出しています。

イタリア中部モリーゼ州の代表ワイナリーと銘柄

モリーゼ州には伝統と革新を融合させた優秀なワイナリーが点在しており、それぞれが個性的なワインを生産しています。

 

テニメンティ・グリエコ(Tenimenti Grieco)

  • 銘柄:「200メートリ ティンティリア」
  • 品種:ティンティリア100%
  • 特徴:標高200mの丘陵地で栽培、特徴的なスパイスとハーブの香り、繊細で滑らかな口当たり
  • 価格帯:3,168円(税込)

ディ・マーヨ・ノランテ(Di Majo Norante)

  • 銘柄:「ファランギーナ・テッレ・デリ・オシ」
  • 品種:ファランギーナ100%
  • 特徴:モリーゼ州を代表する土着品種、ビターな酸味とフレッシュな香りが魅力の自然派ワイン
  • 価格帯:2,178円(税込)

ヴィニカ(VI.NI.CA)

  • 銘柄:「トレッビアーノ」オレンジワイン
  • 品種:トレッビアーノ85%、ガルガーネガ15%
  • 特徴:「化学的な処理をしない」がモットーの自然派生産者、伸びやかな酸とミネラル、凝縮感
  • 価格帯:3,168円(税込)

カンティーネ・サルヴァトーレ(Cantine Salvatore)

  • 設立:1998年
  • 面積:20ha、生産量:80万本
  • 立地:ローマ時代からワイン造りの歴史がある小さな町ウルーリ
  • 銘柄:「ニシアス、ファランギーナ デル モリーゼ DOC」
  • 特徴:青リンゴやパイナップルの濃厚なアロマ、辛口でバランスよく奥深い味わい

これらのワイナリーは手作業による丁寧なブドウ栽培を心掛け、土地や作物の価値を高めることを目指しています。特に標高300mの軽石が混ざる水はけの良い土壌で、地中海性気候を活かしたワイン造りが行われています。

イタリア中部モリーゼ州ワインとサイゼリア料理の意外なペアリング

サイゼリアで親しまれているイタリア料理の要素を取り入れながら、モリーゼ州ワインとの新しいペアリングの可能性を探ってみましょう。

 

ティンティリア・デル・モリーゼと辛口料理
モリーゼ州の代表的なティンティリアは、そのスパイシーな特性から意外にも東洋料理との相性が抜群です。タンドリーチキンや四川風麻婆豆腐、シシカバブなどのスパイスを効かせた料理と組み合わせると、ワインのペッパーやハーブの香りが料理の複雑さを引き立てます。
サイゼリアのペペロンチーノやアラビアータパスタのような唐辛子を使った料理にも、ティンティリアの野性味が良く合うでしょう。

 

ファランギーナと前菜・サラダ
モリーゼ州のファランギーナは、ビターな酸味とフレッシュな香りが特徴で、サイゼリアのミックスサラダやプロシュート、オリーブなどの前菜類と相性が良いと考えられます。青リンゴやパイナップルの濃厚なアロマは、シンプルな素材の味わいを引き立てます。
伝統的なモリーゼ料理とのペアリング

  • カヴァテッリ(Cavatelli):卵を使わず硬質小麦と水だけで作る手打ちショートパスタ、豚のミートソースやトマトソースで
  • パンパネッラ・モリザーナ:豚肉をカイエンペッパーとパプリカで味付けしオーブン焼き
  • トルチネッリ:仔羊のレバーをニンニク、レモンピール、パセリで味付けし腸で巻いてグリル
  • カッチョカヴァッロチーズ:モリーゼ州特産の伸びるチーズ

これらの郷土料理は、サイゼリアのメニューにはない本格的なイタリア地方料理の魅力を教えてくれます。モリーゼ州のワインは、こうした地元の食文化と密接に結びついて発展してきた歴史があります。

 

エノテカ公式サイト:モリーゼ州ワインの詳細解説とペアリング情報