クレマカタラーナとはスペイン発祥の伝統デザート完全解説

クレマカタラーナとは何か、その発祥から特徴、クレームブリュレやプリンとの違いまでを徹底解説。サイゼリヤでも身近になったこの絶品スイーツ、実はあなたが思っている食べ方では本来の美味しさを逃しているかもしれません。

クレマカタラーナとはスペイン生まれの伝統的冷菓

サイゼリヤのプリンはクレマカタラーナを冷凍して固めた状態が本来の食べ方です。


この記事でわかること
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クレマカタラーナの正体

スペイン・カタルーニャ地方で700年以上愛される伝統デザート。「カタルーニャ風クリーム」を意味し、クレームブリュレの原型とも言われる。

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クレームブリュレ・プリンとの違い

発祥の国・材料・加熱方法がまったく異なる3つのスイーツ。見た目は似ていても別物だと知ると、食べ比べがさらに楽しくなる。

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美味しさの秘密と正しい食べ方

パリパリのキャラメルと冷たいカスタードのコントラストが最大の魅力。半解凍で食べると格段に旨さが増す、知って得する食べ方のコツも紹介。


クレマカタラーナとは何か:発祥と正式名称


クレマカタラーナ(Crema Catalana)は、スペイン・カタルーニャ地方を代表する伝統的な冷菓です。正式名称の「クレマ」はスペイン語で「クリーム」、「カタラーナ」は「カタルーニャ風の」を意味します。つまり名前をそのまま訳すと「カタルーニャ風クリーム」になります。


別名は複数あり、「クレマ・デ・サント・ジョゼプ(Crema de Sant Josep)」、つまり「聖ヨセフのクリーム」とも呼ばれます。これは、毎年3月19日の聖ヨセフの日(スペインでは「父の日」にあたる祝日)に食べる伝統があることに由来しています。カタルーニャ地方では今なおこの日に家族でクレマカタラーナを楽しむ習慣が受け継がれており、単なるデザートを超えた文化的な意味を持っています。


また「クレマ・クレマーダ(Crema cremada)」という別名もあり、これは「焦がしたクリーム」の意味。表面をキャラメリゼするという調理法がそのまま名前に反映されています。


このデザートが特筆すべきは、その歴史の深さです。1324年に書かれたカタルーニャ語の中世料理書にすでにレシピが記載されていたとされており、700年以上もの歴史を持つと言われています。ヨーロッパを代表する老舗デザートの一つです。


クレマカタラーナの味と食感の特徴:プリンとアイスの中間

クレマカタラーナの最大の特徴は「外はパリパリ、中はひんやりとろり」という独特の食感のコントラストにあります。


表面には砂糖を薄く広げてガスバーナーで直接焦がした「キャラメリゼ」の層があります。このパリパリと割れる薄いカラメル層を、スプーンで叩き割る瞬間はこのデザートならではの醍醐味です。その下には冷たくてなめらかなカスタードクリームが控えており、熱と冷たさ、固さとやわらかさという正反対の要素が一口の中で同時に楽しめます。


カスタードの材料は卵黄・牛乳・砂糖・コーンスターチが基本です。コーンスターチを加えて鍋で炊くことで、ずっしりとした濃厚な口当たりに仕上がります。香り付けには柑橘類(レモンまたはオレンジ)の皮とシナモンスティックが使われます。これがクレームブリュレとの大きな違いのひとつで、バニラ風味が一般的なクレームブリュレに対し、クレマカタラーナは柑橘とシナモンの爽やかな香りが特徴です。


食感はよく「プリンとアイスクリームの中間」と表現されます。日本では冷凍して提供するスタイルが多く、冷凍庫から取り出して常温で3〜5分ほど待った「半解凍」の状態が最も美味しい食べ頃とされています。このとき約70gあたり233kcalというデータもあり(製造所データより)、ひとつ食べるのに十分な満足感があります。


半解凍が食べ頃です。


クレマカタラーナとクレームブリュレ・プリンの違い:3つを徹底比較

見た目がよく似ているこの3つのスイーツ、実は発祥も材料も作り方もまったく異なります。


まず発祥の違いから整理しましょう。クレマカタラーナはスペイン(カタルーニャ地方)、クレームブリュレはフランス、プリン(カスタードプディング)はイギリスがそれぞれの出身です。世界3ヵ国のスイーツだということですね。












































比較項目 🇪🇸 クレマカタラーナ 🇫🇷 クレームブリュレ 🇬🇧 プリン
発祥 スペイン フランス イギリス
主な材料 卵黄・牛乳・コーンスターチ 卵・生クリーム・牛乳・バニラ 卵・牛乳・砂糖
加熱方法 鍋で炊いて冷やす オーブンで湯煎焼き オーブンで蒸し焼き
香り付け シナモン+柑橘の皮 バニラ
キャラメリゼ する(表面を焦がす) しない(底にカラメルソース)
口当たり ずっしり濃厚 軽くとろける なめらかで弾力あり


作り方の観点では、クレマカタラーナは「コーンスターチを使って鍋で炊く」という工程が最大の特徴です。この工程でとろみがつき、独特のどっしりした食感が生まれます。一方クレームブリュレは粉類を一切加えず、オーブンで低温湯煎焼きにして固めます。そのため口当たりは軽く、クレームブリュレのほうが生クリームを使う分だけ後味はさらに濃厚になります。意外ですね。


また興味深い事実として、クレマカタラーナはフランスの高級スイーツとして知られるクレームブリュレの「原型」とも言われています。クレームブリュレの最古の記録は1691年のフランスの料理書に遡れますが、クレマカタラーナはそれよりも300年以上前の1324年にはすでにレシピが存在しました。この起源問題については諸説ありますが、歴史の深さではクレマカタラーナに軍配が上がります。


クレマカタラーナの正しい美味しい食べ方:半解凍がカギ

日本で市販・提供されているクレマカタラーナの多くは冷凍タイプです。この食べ方を間違えると、せっかくの味わいを半減させてしまいます。


最もよく知られるのが「半解凍」で食べる方法です。冷凍庫から取り出して夏場は約3分、冬場は5分程度を目安に自然解凍します。スプーンがすっとカラメル層まで入り、中がシャリっとしている状態が最適な食べ頃です。完全に解凍してしまうと、なめらかなカスタードクリームに戻ってしまい、アイスのようなひんやりした食感が失われてしまいます。これが条件です。


逆に完全に冷凍のまま食べると、アイスクリームのようにしっかりとした固い食感と抑えめの甘さが際立ち、これはこれで違う美味しさがあります。食感の好みに合わせて解凍時間を調整するのが、クレマカタラーナ上級者の楽しみ方です。


また、キャラメリゼ部分の楽しみ方にもポイントがあります。スプーンを「前後に動かす」ではなく「一気に真上から押し込む」ようにカラメルを割ると、表面のパリパリ層とカスタード層がきれいに一緒にすくえます。


家庭でキャラメリゼをする場合はガスバーナーが理想的です。ない場合はオーブントースターで代用できますが、砂糖が焦げすぎないよう目を離さないのが重要なポイントです。これは使えそうです。


参考:カタラーナの特徴と作り方の詳細(阪急フード)
意外と知らない!カタラーナとクレームブリュレの違いを徹底解説|HANKYU FOOD


クレマカタラーナとサイゼリヤ:700年の歴史が庶民派レストランに出会った理由

サイゼリヤといえばリーズナブルなイタリアンチェーンとして知られていますが、その食へのこだわりは本格的です。地中海料理に根ざした姿勢を持つサイゼリヤには、同じ地中海圏に起源を持つスペインのデザートであるクレマカタラーナとの親和性があります。


実際、サイゼリヤのデザートメニューには「イタリアンプリン」や「ティラミスクラシコ」など地中海各国の本格的なスイーツが並びます。サイゼリヤのファンの間でイタリアンプリンが人気1位となっているのも、プリンやカタラーナに近いカスタード系の濃厚な旨さへの共感があるためです。


クレマカタラーナはバルセロナのカフェや市場でも定番デザートとして親しまれており、旅行者にとって現地体験の定番メニューのひとつです。これをサイゼリヤの感覚で安価に楽しめるという体験は、サイゼリヤ好きにとってひときわ嬉しい発見と言えます。


さらにここ数年、回転寿司チェーンのスシローでも「カタラーナ」シリーズがたびたびメニュー入りするなど、クレマカタラーナは日本の外食業界で一大ブームの兆しを見せています。回転寿司でスペインのデザートが食べられるというのは、数年前では想像しにくかった光景です。


サイゼリヤのデザートにプリン系を好む方であれば、本場のクレマカタラーナを試してみる価値は十分にあります。製菓材料を扱う専門店や通販では、キャラメリゼ用のカソナード(粗精製の砂糖)付きのキットも市販されており、ガスバーナー初心者でも自宅で本格的な仕上げに挑戦しやすい環境が整っています。


参考:クレマカタラーナの起源と歴史(Wikipedia)
クレマカタラーナ - Wikipedia


参考:本場スペインのクレマカタラーナ文化(Catalan Food JP)
クレマ・デ・サン・ジョセップ|Catalan Food JP




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