サイゼリヤのドリンクバーで頼んだエスプレッソを、そのまま飲んでいると数百円分を損しています。
アッフォガート(affogato)はイタリア語で「溺れた」または「沈んだ」という意味を持つ言葉です。動詞 affogare(アッフォガーレ)の過去分詞形で、まさに「アイスクリームがエスプレッソに溺れている」状態をそのまま料理名にした、ユーモアあふれるネーミングです。
正式名称は「アッフォガート・アル・カッフェ(affogato al caffè)」。「カッフェ(コーヒー)によって溺れた」という意味で、イタリア語らしい感覚的な表現が光ります。
アイスがコーヒーに"溺れている"様子から名付けられたということですね。
この料理の起源はイタリアのバール文化にあります。20世紀初頭のイタリアでは、エスプレッソが日常生活に深く根付いており、人々は気軽にバールで立ち飲みのエスプレッソを楽しんでいました。その流れの中で、冷たいジェラートとの組み合わせが生まれ、1950年代にアイスクリーム製造が工業化されるとともに一般に広まったとされています。アメリカの英語辞書に「affogato」という単語が収録されたのは1992年のことで、比較的最近まで世界的には知られていなかった料理です。
Wikipediaのアフォガート記事(日本語)
アフォガートの歴史・語源・分類(デザート/飲み物)・各国での違いなどが詳しくまとめられています。
日本ではスタバのメニューや飲食店の看板で「アフォガード」と書かれているケースが非常に多いですが、これはWikipediaも「誤表記」と明記しているほどの広まった間違いです。イタリア語の原語スペルは「affogato」で、末尾は濁らない「ト」が正しい発音になります。
つまり「アフォガート」が正解です。
では、なぜ「アフォガード」が広まったのでしょうか? 明確な理由は不明ですが、英語の「iced(アイスド)」や「flavored(フレーバード)」のような語尾が「ド」で終わる外来語に引きずられたのではないかと考えられています。また「スタバのアフォガードフラペチーノ」のように大手チェーンが誤表記を使い続けたことで、日本全国に定着した側面もあります。
一方で、デリッシュキッチンなどの大手レシピサイトも「正しいイタリア語とは異なりますが、デザート自体に違いはありません」と明記しており、指している食べ物は同一です。コミュニケーション上の混乱はありませんが、グルメとして語る場面では「アッフォガート」と覚えておくと一目置かれるかもしれません。意外ですね。
語尾の正誤に関して分かりやすく解説されており、クイズ形式で楽しく確認できます。
アッフォガートの基本は、バニラアイスクリームまたはジェラートを器に盛り、淹れたてのエスプレッソを注ぐだけです。シンプルな構成ながら、温度・甘さ・苦さの3重のコントラストが同時に楽しめる点が、このデザートの最大の魅力と言えます。
食べ方は「混ぜない」が基本です。エスプレッソをかけたら、アイスが完全に溶けてしまう前に、スプーンで少しずつすくって食べるのがイタリア流。アイスとエスプレッソの比率が変わっていく過程で、冷×熱、甘×苦という3段階くらいの味の変化を楽しめます。
ここで多くの日本人が持っている誤解があります。日本では「アッフォガート=バニラアイス+エスプレッソ」の組み合わせのみと認識されていることがほとんどです。しかし本場イタリアでは、アッフォガートは「バニラアイスに何らかの飲み物をかけるドルチェ全般」の総称です。
🇮🇹 イタリアでのアッフォガートの種類
| 種類 | かける飲み物 | イタリア語名 |
|---|---|---|
| 定番 | エスプレッソ | Affogato al caffè |
| 紅茶 | ホットティー | Affogato al tè |
| リキュール | アマレット・カルーアなど | Affogato al liquore |
| チョコレート | ホットチョコ | Affogato al cioccolato |
エスプレッソ以外でもOKということですね。リキュールを使ったアッフォガートは大人向けの本格デザートとして、イタリアのレストランで食後によく提供されます。なお、イタリア国内ではデザートに分類されますが、イタリア国外(特にアメリカ)では飲み物に分類されることもあり、国によって立ち位置が異なります。
ナポリの窯公式ブログ「アフォガード:溺れたという意味を持つデザート」
本場イタリアでのアッフォガードの扱い方やかける飲み物の多様性について詳しく解説されています。
サイゼリヤでアッフォガートを楽しむのに、特別なことは何もいりません。知っておくべきシンプルな手順があるだけです。
サイゼリヤには正式な「アッフォガート」メニューはありませんが、ミルクジェラートとドリンクバーのエスプレッソを組み合わせることで、本格的なアッフォガートが完成します。これはSNSやグルメ情報サイトで「サイゼの裏メニュー」として長年親しまれている楽しみ方です。
🍨 サイゼリヤ・アッフォガートの作り方
- ステップ①:「ミルクジェラート」を注文する(税込約200円)
- ステップ②:ドリンクセット(税込200円〜)またはドリンクバー単品(税込300円)を注文する
- ステップ③:ドリンクバーのエスプレッソをカップで持ってくる
- ステップ④:ジェラートの上にエスプレッソを少しずつかける
💡 コツ:一気にかけると溶けすぎるので、小さじ1〜2杯分を少量ずつかけて食べるのがポイントです。
合計金額はミルクジェラート(約200円)+セットドリンクバー(約200円)で合計約400~500円以内。カフェチェーンで同じものを注文すれば600〜800円することも珍しくないので、コスパとしては非常に優秀です。これは使えそうです。
さらに応用すると、サイゼリヤにはイタリアンジェラートやティラミスクラシコなど複数のデザートがあります。ティラミスクラシコ(約300円前後)にエスプレッソをかければ「ティラミス風アッフォガート」として楽しめるというアレンジも、サイゼリヤファンの間では定番です。
裏メニュー.com「サイゼ・アフォガード」
サイゼリヤでアッフォガードを注文するための具体的な手順と料金が詳しく紹介されています。
見た目はスイーツでも、アッフォガートにはしっかりとカフェインが含まれます。エスプレッソ1ショット(約30〜40ml)のカフェイン量は約60〜80mgと言われており、コーヒー1杯(約80mg)とほぼ同等です。
厚生労働省の情報によれば、健康な成人のカフェイン摂取量の目安は1日400mgまでとされています。エスプレッソなら5〜6杯相当ですが、他の食事やチョコレートにもカフェインが含まれるため、1日2〜3杯を上限にするのが無難です。
カフェインは就寝の4〜5時間前の摂取で睡眠に影響が出る可能性があります。アッフォガートを夕食後のデザートとして頼むシーンは多いと思いますが、22時〜23時に就寝したい場合は17〜18時以降のエスプレッソ入りアッフォガートはやや控えた方が良いかもしれません。
カフェインを含まないバリエーションも選択肢に入れておくと安心です。
| バリエーション | カフェインの有無 |
|---|---|
| エスプレッソ・アッフォガート | あり(約60〜80mg) |
| ほうじ茶アッフォガート | 少量あり(約20mg) |
| ホットチョコ・アッフォガート | 少量あり(約10mg) |
| キャラメルソース・アッフォガート | なし |
| 抹茶アッフォガート | あり(約30mg) |
特に妊娠中の方や子どもと一緒に楽しむ場合は、エスプレッソの代わりにキャラメルソースや甘いホットミルクをかける「ノンカフェイン・アッフォガート風」にアレンジするのもおすすめです。サイゼリヤでもドリンクバーにはホットミルクやホットティーなどカフェインレス・低カフェインの飲み物が含まれているため、家族みんなで楽しめます。
カフェインが気になる場合はアレンジで対応できます。
農林水産省「カフェインの過剰摂取について」
カフェインの安全な摂取量の目安や過剰摂取のリスクについて、行政機関による信頼性の高い情報が掲載されています。
アッフォガートは自宅でも簡単に作れるデザートです。材料は2つだけ、バニラアイスとエスプレッソがあれば十分です。
🏠 自宅でできるアッフォガートの基本レシピ
- アイスクリームorジェラート:バニラが定番ですが、チョコやキャラメルも◎
- エスプレッソ:エスプレッソマシンが理想。なければインスタントコーヒーを濃いめに溶かして代用可
- 量のバランス:アイス1スクープ(約80g)に対してエスプレッソ20〜30mlが目安
エスプレッソをかける前に、アイスを室温に10分ほど出しておくと少し外側が柔らかくなり、コーヒーの香りが馴染みやすくなります。このひと手間で仕上がりが格段にリッチになります。
アレンジの幅は非常に広いです。
以下のトッピングを加えると、家カフェレベルがぐっと上がります。
- 🍫 カカオニブやチョコチップ:苦みを足してエスプレッソとの相性アップ
- 🥜 砕いたナッツ(アーモンド・ピスタチオ):食感と香ばしさをプラス
- 🍪 ビスコッティやラスク:すくいながら食べると食感の対比が楽しい
- 🌿 ミントの葉1枚:見た目がカフェ風に変わる
市販品では、ネスカフェのエスプレッソ用インスタントコーヒー「バリスタ」シリーズや、カプセル型コーヒーメーカー(ネスプレッソ・キューリグなど)を使うと、1杯あたり50〜80円程度でエスプレッソが手軽に作れます。エスプレッソマシンがなくても再現できます。
アッフォガートはSNSでの映えも高く、フォロワーに「おうちカフェ」として披露したときの反応も上々です。縦に盛り付けた大きめのアイスにエスプレッソを「目の前で注ぐ」動画も人気があります。結論はシンプルさが武器のデザートです。
INIC coffee「アフォガートとは?アレンジ豊富な作り方をご紹介」
アレンジの種類や自宅での具体的な作り方が詳しくまとめられており、初心者にも分かりやすい内容です。