カルディで買ったブカティーニを普通のスパゲッティと同じ茹で方をすると、ソースが全部すっぽ抜けてもったいないことになります。
ブカティーニとはイタリア語で「穴あき」を意味する「bucato(ブーコ)」が語源で、中心部に細い穴が貫通したロングパスタです。見た目はスパゲッティに似ていますが、直径は2.7〜3mm前後と一回り太く、麺の断面がちょうどストローのような中空構造になっています。このサイズ感でいうと、はがきの横幅(148mm)に麺を並べると約55本が並ぶほどの細さですが、触ってみると通常のスパゲッティよりも明らかに太さを感じます。
発祥はイタリア・シチリア地方とされていますが、広く食べられるようになったのはローマ周辺の中部イタリアです。つまり「シチリア生まれ、ローマ育ち」のパスタということですね。
中心の穴はただの見た目の面白さではありません。ソースが麺の外側だけでなく内側の穴にも入り込むため、一口食べると「外からのソース」と「内側のソース」が同時に口の中に広がります。これが通常のスパゲッティとの最大の違いです。これは使えそうです。
スパゲッティとの比較を整理すると、以下のようになります。
| 比較項目 | ブカティーニ | スパゲッティ(1.7mm) |
|---|---|---|
| 直径 | 約2.7mm | 約1.7mm |
| 断面 | 中空(穴あり) | 実(穴なし) |
| 食感 | もちもち・弾力強め | コシ・なめらか |
| 合うソース | 濃厚トマト・クリーム系 | オイル系・冷製系 |
| 茹で時間目安 | 10〜12分 | 8〜9分 |
茹で時間は商品によって異なります。パッケージ表記を必ず確認するのが原則です。
カルディで売られているアドーロ ブカティーニ(2.7mm)は500g入りで、2人前なら約3回分使えるボリュームです。価格は税込420〜450円前後とスーパーで買う国産パスタより少し高めですが、品質を考えるとコスパは悪くありません。
ブカティーニという名前に聞き覚えのない方でも、サイゼリヤのメニューでアマトリチャーナを食べたことがあれば、あの太くてもちもちした麺がまさにブカティーニです。そのパスタがカルディで手に入るというわけです。
参考:ブカティーニの特徴と基本的なレシピ解説
カルディで手に入るブカティーニで特に注目したいのが、アドーロブランドのブカティーニです。このパスタが他の市販品と一線を画すのは、伝統的な「ブロンズダイス」製法と「低温乾燥24時間以上」という2つの特徴にあります。
まずブロンズダイスとは何かを説明します。パスタは「ダイス」と呼ばれる金型の穴に生地を押し出して成形されます。このダイスに青銅(ブロンズ)製のものを使うと、生地と金型の摩擦が大きくなり、パスタの表面に無数の細かい凹凸ができます。つまり表面がザラザラした仕上がりになるということですね。
一方、多くの大量生産品が使うテフロンダイスは生地との摩擦が少なく、表面が滑らかなパスタになります。見た目は綺麗ですが、ソースが滑り落ちやすいという弱点があります。ブロンズダイスのパスタは白っぽい色、テフロンダイスのものは黄色っぽい色をしているので、購入前にパッケージで見分けることができます。
次に低温乾燥について説明します。パスタの乾燥工程を高温短時間でおこなうと生産効率は上がりますが、小麦のタンパク質(グルテン)が変質し、食感がぼそぼそしやすくなります。アドーロのブカティーニは24時間以上かけてじっくり低温で乾燥させているため、グルテンの劣化が起こらず、弾力のある食感と力強い小麦の風味が生まれます。
これら2つの製法の組み合わせによって生まれるのが、アドーロ ブカティーニの「もちもち食感」と「ソースの絡みの良さ」です。結論は、製法が食感を決めるということです。
カルディの公式ページでも、ブロンズダイスはボロネーゼやクリームソースなどコクのあるソースに合うと紹介されています。サイゼリヤ好きの方に馴染みのあるアマトリチャーナも、まさにブロンズダイス向きのソースです。
なお、カルディでは以前アドーロ ブカティーニが「在庫なし」になった時期もありました。見かけたときに購入しておくのをおすすめします。オンラインストアで事前に在庫確認をしておくと安心です。
参考:カルディ公式によるブロンズダイスとソースの相性ガイド
パスタとソースの相性 - カルディコーヒーファーム公式
ブカティーニは太くて穴あきという構造上、トマト系・クリーム系・チーズ系の濃厚なソースと相性が抜群です。反対に、オイルベースの軽いソース(ペペロンチーノなど)との組み合わせは少しソースが足りなく感じることがあります。これが基本です。
以下に、ブカティーニに特によく合う3つのソースと、カルディで揃えられる食材をまとめます。
🍅 ① アマトリチャーナ(最もおすすめ)
ローマを代表する伝統パスタで、グアンチャーレ(豚頬肉の塩漬け)・トマト・ペコリーノチーズを使ったトマトソース。カルボナーラ、カチョ・エ・ペペと並ぶ「ローマ3大パスタ」の一つです。サイゼリヤでも期間限定メニューとして登場したことがあり、ファンの間では話題になりました。
カルディでは以下の食材が揃います。
- ホールトマト缶(ラ・プレッツィオーザ、年間1万缶以上売れている定番品)
- パンチェッタ(グアンチャーレの代替としても使用可)
- ペコリーノチーズ(羊乳チーズ、粉末タイプも販売あり)
🍳 ② カルボナーラ
卵黄・チーズ・黒胡椒を使ったローマの名物パスタです。通常はスパゲッティで作られますが、ブカティーニで作ると穴の中にクリーミーなソースが入り込み、食べるたびに味の変化が楽しめます。意外ですね。
🫙 ③ クリームベースのソース
ブカティーニのもちもち食感は、濃厚なクリームソースにも非常によく合います。カルディには「オマール海老クリームパスタソース」などの本格ソースも販売されており、ブカティーニに絡めるだけで手軽にレストランの雰囲気が楽しめます。
食材を選ぶ際に、ソースの濃度と麺の太さが合っているかを確認するのが大切です。カルディの店頭には商品ごとにおすすめのパスタの種類が書かれているものもあるので、購入の参考にしてみてください。
参考:アマトリチャーナの本場レシピと材料の詳細
アマトリチャーナの本格レシピ!本場イタリア流の黄金比 - パスタバイブル
ブカティーニを初めて食べた人から「食べにくい」という感想が出ることがあります。太くて長い麺はフォークに巻きにくく、食べている最中に跳ねてソースが飛ぶことがあるのです。これは多くの人が経験するあるあるです。厳しいところですね。
ただ、食べにくさの多くは「茹で加減」と「食べ方のコツ」で解消できます。以下に整理します。
🍳 茹で方の3つのポイント
- 湯の量はたっぷり用意する:ブカティーニは通常のスパゲッティよりも麺がくっつきやすいため、湯の量を多めにするのがコツです。目安は100gのパスタに対して1リットルの湯を用意します。
- 塩は湯1リットルに対して小さじ1:これは茹でた後にソースの塩分と重複しないために重要です。
- 茹で時間はパッケージ表示より1分短めで引き上げる:その後フライパンでソースと絡める際に火が通るため、少し固めで引き上げるのがポイントです。アルデンテが基本です。
アドーロ ブカティーニの場合、パッケージに記載の茹で時間は10分前後のものが多いです。
🍴 食べにくさを解消する2つのコツ
ブカティーニは長くて太いため、普通のスパゲッティのようにフォークをくるくると巻くと大きな塊になりすぎることがあります。解消策は2つです。
1. フォークでなくスプーンを補助に使う:スプーンを皿の縁に当て、そこにフォークを立てて少量ずつ巻き取ると食べやすくなります。
2. 大きめの平皿を使う:深い鉢型の皿ではなくフラットな皿を使うと、麺を少量ずつまとめやすくなります。
ブカティーニは巻き難いから少量ずつが原則です。サイゼリヤで食べると店員が大きな皿で提供してくれているのはそのためでもあります。
なお、ブカティーニの穴の部分は通常のスパゲッティと比べると茹でる時間の短縮に寄与するという説もありますが、実際には外径が太いため全体の茹で時間はスパゲッティより長くなります。必ず自分の目と口で確認しながら茹でるのが条件です。
サイゼリヤでアマトリチャーナを食べたことがある方なら、あの独特のもちもちした太麺と、ペコリーノチーズの塩気が効いたトマトソースの絡みを「自宅でも再現したい」と思ったことがあるはずです。カルディのブカティーニはその第一歩として最適な選択肢です。
ただ、サイゼリヤの再現レシピでよくある落とし穴として「チーズ選び」の問題があります。本場のアマトリチャーナには「ペコリーノ・ロマーノ」という羊乳チーズが使われています。粉チーズとして市販されている「パルミジャーノ・レッジャーノ」や「グラナパダーノ」よりも塩気が強く、風味も独特です。
サイゼリヤは2023年7月にメニュー改定を実施し、無料提供していた粉チーズがグランモラビアという牛乳チーズに変更になりました。羊乳チーズのペコリーノ・ロマーノとは塩味の強さがまったく異なるため、自宅で再現する際にパルミジャーノで代替すると味のバランスがずれることがあります。チーズの種類が条件です。
カルディには輸入チーズコーナーにペコリーノ・ロマーノが置かれていることがあります。見つけたらブカティーニと一緒にカゴに入れることを強くおすすめします。ただし、ペコリーノは塩気が非常に強いため、使い過ぎると塩辛くなります。まず少量だけかけて味を確認するのが大切です。
また、もう一つの注意点として「グアンチャーレ」の代替材料があります。本場のアマトリチャーナには豚頬肉の塩漬けであるグアンチャーレを使いますが、日本ではなかなか手に入りません。多くのレシピではパンチェッタ(豚バラの塩漬け)で代用していますが、カルディには輸入品のパンチェッタが置かれていることがあります。普通のベーコンとは脂の甘さと旨みが全く違うので、ぜひ試してみてください。
「本格的な味を出したいけど食材費を抑えたい」という場面でのおすすめは、まずブカティーニとトマト缶だけカルディで揃え、チーズとパンチェッタは徐々に本格品に置き換えていくという段階的アプローチです。トマト缶はカルディの「ラ・プレッツィオーザ」が年間1万缶以上売れる人気商品で、1缶100円台と手頃です。これだけでも味のベースがしっかりします。
本場の味を自宅で手軽に楽しむためにも、カルディに行った際はブカティーニを中心に食材をひとつひとつ揃えていくのが、サイゼリヤ好きにとって最も楽しいパスタ探求の道ではないでしょうか。
参考:ブカティーニを使ったアマトリチャーナの詳細レシピ(材料・手順つき)
穴あきパスタブカティーニのアマトリチャーナ - duegattidagiun
参考:カルディの元スタッフによるアドーロ ブカティーニの紹介と評価
12年働いた元スタッフおすすめ!カルディで絶対買うべき食品 - 暮らしニスタ