コルティナどこの国?イタリア五輪の街の魅力

2026年冬季オリンピック開催地「コルティナ」はどこの国にある街?イタリア北部ヴェネト州のドロミテ山麓に位置する絶景リゾートを、サイゼリヤ好きも楽しめる食文化とともに詳しく解説。あなたは今すぐ行きたくなるかも?

コルティナどこの国?イタリアが誇る山岳リゾートの正体

サイゼリヤのメニューにある「ミラノ風ドリア」は、実はイタリアのミラノには存在しない日本生まれの料理です。


コルティナ ダンペッツォ 3つのポイント
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どこの国?→ イタリア北部

コルティナ・ダンペッツォはイタリア共和国ヴェネト州ベッルーノ県に位置する、人口約5,800人の小さな街。ドロミテ(ドロミーティ)山脈の麓にある世界遺産の玄関口です。

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2026年冬季オリンピック開催地

2026年2月6〜22日に「ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック」が開催されました。コルティナでの冬季五輪開催は1956年以来、実に70年ぶり2回目です。

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サイゼリヤ好きも唸る!本場の食文化

パスタだけじゃない北イタリアの山岳料理が集まる地域。ポレンタ・カスンツィエイなどの郷土料理は、サイゼリヤのメニューとはひひとあじちがう「本場の味」を体感できます。


コルティナはどこの国の何州にある街なのか?基本情報まとめ

コルティナ・ダンペッツォ(Cortina d'Ampezzo)は、イタリア共和国のヴェネト州ベッルーノ県に位置する基礎自治体(コムーネ)です。正式名称の「コルティナ・ダンペッツォ」は、イタリア語で「アンペッツォ地方のコルティナ」という意味を持ち、地元では単に「コルティナ」とも呼ばれています。


地図上でのコルティナの位置を確認すると、イタリアの"右上"にあたるエリアです。ヴェネツィアから真北に約160km、オーストリアとの国境からは南へわずか約30kmという山岳地帯に位置しています。街の標高は約1,211mで、周囲には標高3,000mを超えるドロミテ(ドロミーティ)の山々が屏風のように連なっています。これは富士山(3,776m)より少し低い山々に囲まれているイメージです。


面積は254.51㎢とベッルーノ県で最大の広さを誇る一方、人口は約5,800人というコンパクトな街です。東京ドームが13ヘクタールほどなので、コルティナの面積は東京ドーム約196個分の広さに、わずか5,800人が暮らしていることになります。


ポイントは、コルティナはイタリアの街でありながら、言語的・文化的に独特のアイデンティティを持っていることです。長い歴史の中でオーストリア=ハプスブルク家の支配を受けてきた地域で、イタリア語のほかに「ラディン語(レト・ロマンス語群)」という独自の言語が今も話されています。つまり、イタリア語・ラディン語・ドイツ語の3言語文化が交差する、ヨーロッパの中でも特に個性的な土地柄なのです。


項目 内容
🌍 国 イタリア共和国
📍 州・県 ヴェネト州 ベッルーノ県
📏 標高 約1,211m(最高地点3,244m)
👥 人口 約5,800人(2021年時点)
🗺 最寄り大都市 ヴェネツィアから北へ約156km
🇦🇹 国境 オーストリアまで約30km


参考:コルティナ・ダンペッツォの地理・歴史などの基本情報はこちら
コルティーナ・ダンペッツォ - Wikipedia(日本語)


コルティナがある国イタリアの街でありながら、実は400年間オーストリア領だった理由

サイゼリヤを愛するイタリア好きの方ならば「コルティナはイタリアの街」と知っていても、この街が「ついこのあいだまでオーストリアの領土だった」という事実は意外に知られていません。これは知っておくと、コルティナの食文化・建築・言語のすべてが一気に腑に落ちる、重要な歴史的背景です。


コルティナは1508年にオーストリア(ハプスブルク君主国)に征服されて以来、約400年間にわたってオーストリアの支配下に置かれていました。イタリアが第一次世界大戦に参戦した1915年当時、コルティナの男性のほとんどはオーストリア軍の兵士としてロシア戦線に送り出されていたほどです。コルティナが正式にイタリア領となったのは、第一次世界大戦終結後の1920年のことです。1508年からの計算で約412年間、この小さな山の街はオーストリアの文化圏に属していたことになります。


この歴史的背景が、今の「コルティナらしさ」を形成しています。街には三角屋根の木造建築が立ち並び、チロル(オーストリア)風の外観は南イタリアとはまったく異なる景観を作り出しています。料理においても同様で、パスタよりもポレンタやグーラッシュといった中欧・東欧の影響を受けた料理が多い、イタリアの中でもきわめて特殊な食文化が根付いています。


つまりコルティナは「イタリアにあるが、かつてはオーストリア」という複合的なアイデンティティを持つ街です。サイゼリヤで親しんでいる「ミラノ」や「ローマ」の南寄りのイタリアとは、まったく異なる顔を見せてくれる点が最大の魅力といえるでしょう。


参考:コルティナを含む北イタリアの地理・食文化については東洋経済オンラインも詳しく紹介しています


コルティナどこの国かを知るだけじゃもったいない!世界遺産ドロミテとの関係

コルティナの正確な場所と国を把握した次に知っておきたいのが、「世界遺産ドロミテ(ドロミーティ)」との関係です。ドロミテはコルティナを語るうえで切り離せない存在で、これを知ることで、なぜコルティナが世界中から観光客を集めるのかが理解できます。


ドロミテ(ドロミーティ)とは、イタリア北東部に広がる石灰質の山岳地帯のことで、2009年6月にユネスコ世界自然遺産に登録されました。その総面積は約141,903ヘクタール、日本の兵庫県(面積約840,000ヘクタール)のおよそ6分の1に相当する広大な山岳地帯です。コルティナ・ダンペッツォはドロミテの「東の玄関口」と呼ばれており、「ドロミテの女王」という愛称でも親しまれています。


ドロミテの最大の特徴は、その独特な岩の色と形状にあります。かつて海底だった場所が地殻変動で隆起して形成されたため、白っぽい石灰岩の岩峰が空に向かってそそり立つ絶景が広がっています。夕方には岩肌がオレンジ・ピンク・赤に染まる「エンロッサドゥーラ(夕映え現象)」が有名で、その光景を目当てに世界中のカメラマンが集まります。これはサイゼリヤのレストランの窓からは絶対に見られない絶景です。


実は、2026年のミラノ・コルティナ冬季オリンピックでも、この絶景を背景にしたオリンピックシンボルの写真が世界中に発信され、大きな話題となりました。観光シーズンは夏のハイキング(6〜8月)と冬のスキー(12〜3月)の2つがあり、年間を通じて楽しめます。スキーエリアについても触れておくと、コルティナは「ドロミテ・スーパースキー」に含まれる12リゾートのひとつで、1,200kmのゲレンデと450のリフト設備を誇ります。東京から北海道の直線距離が約1,200kmほどですから、スキーゲレンデだけでその規模感がわかるでしょう。


コルティナへどの国・どのルートから行くか?ベネチア経由が最短

「コルティナはどこの国にあるのか」がわかったところで、実際にアクセスするにはどうすればいいのでしょうか。日本からコルティナを目指す場合のルートを整理しておきましょう。


日本からの基本ルートは、まず日本→ミラノ(マルペンサ空港)またはヴェネツィア(マルコ・ポーロ国際空港)への国際線を利用することです。コルティナへの最短ルートはヴェネツィア空港経由で、空港からヴェネツィア・メストレ駅へ移動し、そこから直通バス(コルティナ・エクスプレス)を利用するのが一般的です。ベネチアからコルティナまでの距離は約156kmで、バスで約2時間45分〜3時間30分かかります。


一方、同じ冬季オリンピック開催地であるミラノからコルティナへ向かう場合はかなり距離があり、車で5〜6時間、バスで6時間半程度かかります。ミラノとコルティナは同じ「ミラノ・コルティナ2026」の名前でセットに語られますが、実際の移動距離はかなり大きく、日本でいえばちょうど東京から大阪くらいの感覚です。ここは意外に知られていないポイントです。


コルティナには現在、電車でのアクセスができない点も覚えておく必要があります。かつてドロミティ鉄道という路線があったのですが、第二次世界大戦後の1960年代に廃止されました。そのため、コルティナへの交通手段は基本的にバスかレンタカーに限られます。特に冬季は山道の積雪状況に左右されるため、スタッドレスタイヤ装備の必要性など現地の道路情報を事前に確認してから移動することをおすすめします。


- 🛫 日本から最短ルート: ヴェネツィア空港 → ヴェネツィア・メストレ駅 → コルティナ(バス約2時間45分)
- 🚌 ミラノから: バスで約6時間30分(距離約400km)
- 🚗 レンタカー: 冬期はスタッドレスタイヤ必須、道路凍結に注意


サイゼリヤ好きが知ると得する!コルティナのイタリアらしくない食文化

サイゼリヤでイタリア料理に親しんでいる人ほど、コルティナの食文化には「えっ、これがイタリア?」という驚きを感じるはずです。北イタリアの山岳地帯という環境が生み出した独自の食文化は、南イタリアがベースのサイゼリヤとはかなり異なる世界観を持っています。


コルティナのある北イタリア山岳地帯は小麦の生産が少ないため、パスタやピザが主役というよりも、とうもろこし粉を練り上げた「ポレンタ」が主食のひとつとして長く親しまれてきました。ポレンタは銅鍋で40分以上かき混ぜ続けて作るもので、現地では専用の自動かき混ぜ鍋があるほど日常的な料理です。そのまま食べても香ばしくておいしいですが、チーズを混ぜたり、グーラッシュスープ(牛肉・パプリカ・赤ワインの煮込み)と組み合わせるのが地元流です。


もうひとつ有名な郷土料理が「カスンツィエイ」です。これはビーツを詰めた半月型のラヴィオリで、茹でると生地が鮮やかなピンク色に染まるのが特徴です。サイゼリヤでおなじみのトマトソース系パスタとはまったく異なる、山の大地の味がします。


また、コルティナではオーストリア・チロル地方の影響を受けた「カネーデルリ」(パンと卵・スペック・チーズで作った球形の団子料理)も親しまれています。この料理はドイツ語圏の「クヌーデル」と同じルーツを持ち、まさにイタリアとオーストリアの文化が交差するコルティナらしい料理といえます。


サイゼリヤ好きの方にとっては、ミラノ風ドリアやエスカルゴのオーブン焼きなど「イタリアンのイメージ」が固まっているかもしれませんが、コルティナの料理は南北イタリアの食文化の差を体感する絶好の機会を与えてくれます。「イタリア料理=パスタ・ピザ」という発想が、コルティナを知ることで豊かに広がっていくでしょう。


参考:コルティナ・ダンペッツォの郷土料理「カスンツィエイ」のレシピと食文化解説
ミラノ・コルティナ五輪の舞台で食べられる名物「カスンツィエイ」- dancyu