オレンジワインの作り方と白ブドウが生む琥珀色の秘密

オレンジワインの作り方を知りたい方へ。白ブドウを赤ワイン製法で造る「スキンコンタクト」の仕組みから、8000年の歴史を持つジョージア伝統製法まで徹底解説。サイゼリヤのイタリアンとの相性も必見。あなたは本当にオレンジワインの作り方を知っていますか?

オレンジワインの作り方と白ブドウが生む琥珀色の秘密

白ワインに分類されるのに、抗酸化能力は白ワインの2.3倍もあります。


この記事でわかること
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オレンジワインの定義と作り方の基本

白ブドウを赤ワインのように醸造する「スキンコンタクト(マセラシオン)」の仕組みを解説。なぜオレンジ色になるのかが一目でわかります。

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8000年の歴史と伝統製法「クヴェヴリ」

ジョージア(旧グルジア)発祥の素焼き壺製法がユネスコ世界文化遺産に登録されています。この古代製法が現代オレンジワインの原点です。

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サイゼリヤメニューとのペアリング活用法

オレンジワインの「渋み×うまみ」がイタリアンの定番料理と抜群に相性がいい理由と、具体的な組み合わせを紹介します。


オレンジワインの作り方の基本:白ブドウを使った醸し発酵とは


「オレンジワイン」という名前を聞いて、オレンジを原料にした果実酒だと思う人が少なくありません。しかし実際は、原料はぶどうです。白ブドウを使いながら、赤ワインと同じプロセスで造られるのがオレンジワインです。


通常、白ワインを造るときは、ブドウを圧搾して果汁だけを取り出し、その果汁のみを発酵させます。果皮と種は最初に取り除かれてしまいます。


一方、オレンジワインは白ブドウでありながら、果皮・種子・場合によっては茎まで一緒に果汁と漬け込んで発酵させます。この工程をスキンコンタクト(醸し・マセラシオン)と呼びます。つまり、白ブドウを赤ワインの手法で造るわけです。


発酵中に果皮や種子から色素成分(アントシアニン)やタンニン、ポリフェノールが果汁にじわじわ溶け出すことで、白ワインのようなレモン色ではなく、琥珀色やオレンジ色の美しい色合いが生まれます。これが「オレンジワイン」と呼ばれる理由です。


スキンコンタクトの期間は短いものだと数日、長いものは半年以上に及ぶこともあります。その期間が長ければ長いほど色が濃くなり、タンニン(渋み)も強くなります。


| 浸漬期間の目安 | 特徴 |
|---|---|
| 数日〜2週間 | 淡いオレンジ色・渋み控えめ |
| 1ヶ月〜3ヶ月 | 琥珀色・タンニンしっかり |
| 6ヶ月以上 | 深い琥珀色・濃厚なコク |


マセラシオン期間が8日間のものと数ヶ月のものでは、同じ品種でも全く違うワインになります。これがオレンジワインの奥深さです。


製造の流れをまとめると下記のとおりです。


- ①ブドウの収穫・選果:畑から摘み取り、不良果を除去する
- ②破砕(除梗):ブドウ粒を潰してマスト(果汁+果皮+種)を作る
- ③スキンコンタクト(マセラシオン):果皮・種子と果汁を数日〜数ヶ月漬け込む
- ④アルコール発酵:酵母の働きで糖分がアルコールに変わる
- ⑤圧搾:ワインと固形物(果皮・種子)を分離する
- ⑥熟成:タンク・樽・クヴェヴリなどで熟成させる
- ⑦清澄・ろ過・瓶詰め:完成


白ワインとの決定的な違いは、「③のスキンコンタクトの有無」にあります。これが基本です。


参考:白ブドウと果皮との発酵過程についての詳細解説(モトックス)
知っておきたい!オレンジワインのキホンとおすすめ9選 – モトックス


オレンジワインの作り方の歴史:8000年前のジョージア「クヴェヴリ」製法

オレンジワインは近年のトレンドのように思われていますが、実は人類最古のワイン造りの手法がルーツです。


発祥の地はジョージア(旧グルジア)。コーカサス地方に位置するこの国には、約8000年(紀元前6000年頃)のワイン造りの歴史があります。世界最古のワイン生産国として知られており、ジョージア人は昔から「クヴェヴリ」と呼ばれる素焼きの甕(かめ)を使って白ブドウも黒ブドウも果皮ごと一緒に発酵させていました。これが、オレンジワインの原型です。


クヴェヴリ製法の手順は大きくわけてこうです。


- 収穫したブドウを潰してクヴェヴリへ入れる
- 野生酵母(自然酵母)で20〜40日間発酵させる
- そのまま「マラニ」と呼ばれる石造りの蔵の地中に埋めて一定温度で熟成させる
- 数ヶ月後に澱引きして完成


クヴェヴリの内側は蜜ろうでコーティングされており、土の中の安定した温度で発酵・熟成が進みます。果皮や種が一緒に入っているため、ジョージアのオレンジワインは深い琥珀色(アンバー色)になります。この色から、現地では「アンバーワイン」とも呼ばれています。


2013年には、このクヴェヴリを使ったジョージアの伝統的なワイン造りがユネスコ無形文化遺産に登録されました。


また、ジョージアではワイン造りが国の免許制度で管理されていないため、個人が自宅でも自由に醸造・販売ができます。それでも何千年もの間、伝統製法が途絶えなかった理由は、ジョージアの人々が自分たちのワインの味に絶大な自信を持ち続けたからと言われています。意外ですね。


1990年代半ばになると、ジョージアのクヴェヴリワインに感銘を受けたイタリア・フリウリ州のワイン生産者「グラヴネル」や「ラディコン」が現代的なオレンジワイン造りを始め、世界中にオレンジワインブームをもたらしました。現在ではイタリア、スロベニア、日本など世界各地の生産者がオレンジワイン造りに参入しています。


参考:ジョージアのクヴェヴリ製法の歴史と詳細
オレンジワインとは?味わいや作り方・おすすめ銘柄をソムリエが解説 – しあわせワイン倶楽部


オレンジワインの作り方の特徴:白ワインと比べて何が違うのか

スキンコンタクトという製法の違いは、味わいに大きな差をもたらします。オレンジワインと通常の白ワインを比べると、その違いははっきりしています。


まず、タンニン(渋み)の有無です。通常の白ワインは果汁のみを発酵させるため、タンニンはほぼゼロに近い状態です。一方、オレンジワインは果皮や種子からタンニンが溶け出すため、白ワインには本来ない「渋み」が生まれます。ただし黒ブドウほどのタンニンは含まれないため、赤ワインほどのどっしりした渋みではなく、紅茶のような軽やかな渋みを感じるタイプが多いです。


次に、ポリフェノール量の違いです。研究によると、オレンジワインのポリフェノール総量は白ワインの約4.6倍、抗酸化能力は白ワインの2.3倍にのぼるとされています(赤ワインの約0.6倍)。果皮・種子を丸ごと漬け込む製法ならではの数値です。


| 種類 | ポリフェノール量(目安) | 抗酸化能力(目安) |
|---|---|---|
| 赤ワイン | 最も多い | 基準(1倍) |
| オレンジワイン | 白ワインの約4.6倍 | 赤の0.6倍・白の2.3倍 |
| 白ワイン | 少ない | 最も低い |


さらに、味わいの複雑さも異なります。白ブドウの爽やかな酸味に加え、果皮由来の旨み・ミネラル感・スパイスのようなコクが加わるのがオレンジワインの大きな魅力です。「出汁のような深みがある」と表現されることもあります。これは使えそうです。


香りの面でも特徴があります。アプリコットや白桃、ドライフルーツのような香りに、紅茶やウーロン茶のようなニュアンスが重なることが多く、これが白ワインとの大きな違いです。


また、オレンジワインは渋みとコクがあるため、飲みごろの温度も白ワインより高めが推奨されています。


- 軽めのタイプ:10〜12℃(白ワインより少し高め)
- しっかりめのタイプ:12〜16℃(軽めの赤ワインと同じくらい)


白ワインと同じ感覚でキンキンに冷やして飲むと、渋みが際立ちすぎたり、せっかくの複雑な香りが消えてしまうことがあります。温度管理に注意が必要です。


参考:ワイン種別の抗酸化能力・ポリフェノール比較データ
栄養士が教える最も健康的なワイン – 株式会社ミレジム


オレンジワインの作り方で使われるブドウ品種と産地:日本の甲州も注目

オレンジワインはどのような白ブドウ品種でも造れますが、品種ごとに仕上がりの味わいが大きく変わります。産地によっても個性が異なります。これが条件です。


ジョージア(発祥地)では、「ルカツィテリ」が代表品種です。ジョージア最大のワイン産地カヘティで栽培面積No.1の白ブドウで、豊かな酸と力強いタンニンが特徴。クヴェヴリで6ヶ月以上漬け込んだものは、食事の脂を洗い流すようなドライな飲み口になります。


イタリア(フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州)では、「リボッラ・ジャッラ」や「フリウラーノ」が主に使われます。リボッラ・ジャッラは果皮が厚く、スキンコンタクトの効果が出やすい品種として知られます。レモンティーのような爽やかな渋みが特徴的で、イカのフリッターなど酸味のある料理と相性が良いです。


日本では、国産品種の「甲州」を使ったオレンジワインが近年注目を集めています。通常の甲州ワインは洋梨のようなやさしい風味ですが、スキンコンタクトを施すと旨みとコクが増し、和食との親和性がさらに高まります。「甲州 オランジュ・グリ」など、1,000円台後半〜2,000円前後で楽しめるものも揃っています。これは使えそうです。


その他の注目品種を簡単に挙げると。


- リースリング(ドイツ・オーストリア):アロマティックで華やかな香り
- ゲヴュルツトラミネール:ライチやバラのような芳醇な香りにタンニンが加わる
- ピノ・グリ:ピンクがかった果皮が赤みのある色合いをもたらす
- ヴィオニエ:白い花・アプリコットの香りに複雑なコクが加わる


また、ナチュラルワイン(自然派ワイン)との親和性が高いのもオレンジワインの特徴のひとつです。野生酵母を使い、酸化防止剤(亜硫酸)の添加を最小限に抑えた造りがオレンジワインには多く、ナチュラルワインを探している方には選びやすいカテゴリーです。


参考:日本のオレンジワインと甲州品種について
日本ワインでも増えてきた「オレンジワイン」ってどんなワイン? – Janwine


サイゼリヤ好きが知っておきたいオレンジワインのペアリング:イタリアンとの黄金ルール

サイゼリヤはイタリアワインを中心に揃えた、コスパ最強のワインラインナップが魅力です。しかしオレンジワインはメニューにはありません。だからこそ、オレンジワインを別で用意して自宅でサイゼリヤの味わいを再現したり、同系統のイタリアンと合わせる楽しみ方が広がっています。


オレンジワインがイタリアンと相性が良い理由は、「渋みと旨み」のバランスにあります。白ワインほど軽くなく、赤ワインほど重くない。この中間の立ち位置が、幅広いイタリア料理の橋渡し役になります。


具体的なペアリングの例を見ていきましょう。


- 🍕 ピザ・マルゲリータ系:トマトの酸味とオレンジワインの酸が調和し、チーズの脂をタンニンが洗い流す
- 🍝 クリームパスタ・ドリア系:乳製品のコクにオレンジワインの渋みと出汁感がよく合う
- 🦐 小エビのサラダ・シーフード系:白ワインのような爽やかさとタンニンのうまみが合わさる
- 🍖 チキン・豚肉のハーブ焼き:ハーブの香りとオレンジワインのスパイシーなニュアンスが好相性
- 🧀 チーズ系おつまみ:タンニンとタンパク質が結合し、まろやかな余韻が生まれる


特に注目なのが、サイゼリヤの定番「小エビのサラダ」「辛味チキン」「マルゲリータピザ」といったメニューとの相性の良さです。オレンジワインのタンニンと旨みが料理のコクを引き出しながら、口の中をさっぱりリセットしてくれます。


また、日本のオレンジワイン(甲州種)は和食との相性が特に優れています。出汁ベースの料理や魚介鍋、ムール貝のような素材の旨みを活かした料理と合わせると、オレンジワイン本来の「出汁感」がより際立ちます。


オレンジワインを初めて試す場合は、渋み控えめの「イタリア産リボッラ・ジャッラ」や「日本産甲州オレンジ」からスタートするのが無難です。価格帯は1,500〜2,500円程度のものから手に入るので、日常使いのワインとして取り入れやすいです。


渋みが強いジョージア産のクヴェヴリ製法ワインは、牛肉や濃厚なラムチョップ、スパイシーな料理など、しっかりした料理と合わせることを想定して選ぶと失敗が少ないです。ジョージア産オレンジワインの入門としては、「ストリ マラニ ルカツィテリ」(3,000円前後)が飲みやすいとされています。


参考:オレンジワインのペアリングとタイプ別の選び方
オレンジワインに合う料理って?シーン別ペアリング完全ガイド – Cali Vino




アランサット [N/V] オレンジワイン (イタリア、フリウリ産)