リガトーニを自宅で茹でたら、表面はやわらかいのに中心だけ粉っぽくて残念な仕上がりになった経験はないでしょうか。
リガトーニはショートパスタの中でも特に生地が厚く、直径15mm・長さ約40mmほどのずっしりとしたフォルムが特徴です。大きさのイメージとしては、太めのサインペンを2〜3cmほどにカットした筒、といえばわかりやすいでしょう。この肉厚な生地のせいで、茹で時間が他のパスタと比べて格段に長くなります。
メーカーや製品によって茹で時間に大きな差があるのが、リガトーニの特徴です。主要な製品の目安をまとめると、無印良品のリガトーニは11分、ラモリサーナのリガトーニ・ブロンズは13〜14分、一般的なイタリア産メーカーのものは18〜20分前後が多い傾向にあります。スパゲッティの標準的な茹で時間が7〜10分前後であることを考えると、倍近い時間がかかるものも存在します。
つまり「パスタだからだいたい10分くらいでいいか」と思って茹でると、確実に失敗します。
購入した製品の袋の裏面を必ず確認することが第一歩。初めて使うリガトーニは、袋の表示時間の1〜2分前から1本取り出して指でつまみ、硬さを確認するのがおすすめです。表面がやわらかく、断面に白い芯が残っていなければ茹で上がりのサインです。
サイゼリアのパスタメニューをイメージして自宅でリガトーニを再現しようとしている方は、この茹で時間の長さを最初に把握しておくと、全体の調理計画が立てやすくなります。
無印良品「小麦の旨みひきたつ リガトーニ」の商品詳細・茹で時間(公式)
サイゼリアのパスタを食べたときのあの「もちもち感」を自宅で再現したいなら、リガトーニに関してはアルデンテを目指してはいけません。これは意外に感じる方も多いポイントです。
アルデンテとは「歯ごたえがある状態」のことで、スパゲッティでは最高の仕上がりとされます。しかしリガトーニのような生地の厚いショートパスタの場合、アルデンテにしようとして早く引き上げると、表面はやわらかくても中心部に「粉っぽさ」が残りやすいのです。リガトーニの生地の厚さはスパゲッティの3〜4倍もあるため、熱と水分が中心まで届くのに時間がかかります。
しっかり茹でることが基本です。
パッケージに記載された時間をきちんと守ることで、外側も中心も均等に火が通り、リガトーニ本来のもちもちとした弾力ある食感が引き出されます。ただし、グラタンなどオーブンで二次加熱する料理に使う場合は例外で、このときは記載の茹で時間より2分早く引き上げることがポイントです。オーブンの熱で残りの加熱が完了するため、二度茹でになって食感がぼそぼそになることを防げます。
また、茹でている最中は時々木べらやトングで軽くかき混ぜることも大切です。リガトーニは生地がずっしりしている分、鍋底に沈んで張りつきやすい性質があります。2〜3分おきにやさしく動かすだけで、均一に火が通り割れ防止にもなります。
モンテ物産公式レシピ「リガトーニ・アル・フォルノ」 ― グラタン使いの下茹でコツが参考になります
リガトーニを美味しく茹でるうえで、見落とされがちなのが塩の量と一人前の分量です。
まず塩について。一般的なパスタの茹で湯に入れる塩の量は、お湯1Lに対して約8〜10g(小さじ約2杯)が目安とされています。しかし、リガトーニの場合は塩を控えめにするのが正解です。茹で時間が15〜20分と非常に長いため、その分塩分がじっくりとパスタの内側まで染み込みます。通常のスパゲッティより塩味が入りやすい構造なのです。
加えて、リガトーニはミートソースやクリームソースなど、もともと塩分が高めの濃厚ソースと合わせることが多い食材です。茹で湯の塩を標準量入れてしまうと、ソースと絡めたときに全体が塩辛くなりすぎてしまいます。塩の量はひとつまみ〜小さじ1程度(お湯1Lに対し約3〜5g)に抑えると、ソースとのバランスが取りやすくなります。
塩加減の調整が条件です。
次に一人前の分量について。スパゲッティの一人前は乾麺で80〜100gが一般的ですが、リガトーニの一人前の目安は乾麺で80g程度です。これは茹で上がると水分を多く吸収してボリュームが増すためです。乾麺80gのリガトーニを茹でると、茹で後は約200gほどになります。はじめてリガトーニを茹でたときに「量が多い!」と感じるのはこのためで、多めに茹でてしまうと思った以上の食べ応えになります。
| 比較項目 | スパゲッティ(1.8mm) | リガトーニ |
|---|---|---|
| 標準茹で時間 | 7〜10分 | 11〜20分 |
| 一人前(乾麺) | 80〜100g | 80g |
| 茹で後の重さ目安 | 約180g | 約200g |
| 塩の量(1Lあたり) | 8〜10g | 3〜5g |
日本パスタ協会「パスタのおいしいゆで方」 ― 塩分濃度・水量の基本知識の参考に
「リガトーニを茹でたいけれど、20分近くかかるのが面倒…」と感じる方も多いでしょう。そんなときに使えるのが「水漬けパスタ」という時短テクニックです。これは意外と知られていないコツです。
水漬けパスタとは、乾燥パスタを調理前にあらかじめ水に浸しておくことで、茹で時間を大幅に短縮できる方法です。浸水時間の目安は茹で時間の約10倍が基本とされています。例えばリガトーニの茹で時間が15分の製品なら、水に150分(2時間30分)ほど漬けておく計算になります。
水の量はパスタ100gに対してお水約300〜400ml(乾燥パスタの約3〜4倍)が目安です。
水に十分漬けておいたリガトーニは、茹で時間が約1〜2分に短縮されます。ガス代・電気代の節約にもなりますし、夕食の準備時間を大幅に短縮できます。特に忙しい平日の夜、サイゼリア風のリガトーニ料理を作りたいときに力を発揮するテクニックです。
ただし、水漬けしたリガトーニは生地が均一に水を含んでいるため、食感がもちもちになりやすい反面、茹で過ぎには普通より敏感になります。1〜2分経ったら必ず硬さを確認しながら仕上げましょう。水漬け後は当日中に使い切るか、そのまま冷凍しておくと次回1分で茹で上がる常備食材になります。
「水漬けパスタ」の基本と作り方(ウォーターサーバー情報サイト) ― 浸水時間と水の量の詳細解説
サイゼリアのパスタメニューを見ると、リガトーニが使われることが多いのはグラタン系や濃厚ソース系の料理です。これはリガトーニの形状と食感が、まさにそういった料理と抜群に合うからです。
リガトーニの最大の特徴は2つあります。ひとつは表面に入った細い溝(リガ)、もうひとつは筒状の中空構造です。表面の溝にはソースがしっかり絡みつき、筒の中にはソースが入り込みます。一口食べるだけで濃厚なソースをしっかり味わえるのが、リガトーニの醍醐味です。
これは使えそうです。
相性のよいソースの筆頭はミートソース(ボロネーゼ)です。ひき肉のうまみが溝に絡みつき、一口ごとにずっしりとした満足感があります。次に相性がいいのがカルボナーラ。クリーミーなソースが筒の中に入り込み、スパゲッティのカルボナーラとはまた違った食べ応えになります。またアマトリチャーナ(グアンチャーレと玉ねぎのトマトソース)もリガトーニとの組み合わせでイタリアでは定番とされています。
グラタンに使う場合は、前述の通り茹で時間を2分短めにすること。オーブンで200度・15分ほど焼けば、外側がカリッと中がもちもちの仕上がりになります。サイゼリアのエビとタラコのクリームグラタン風を家で再現したいなら、リガトーニ+ホワイトソース+たらこの組み合わせが手軽な選択肢です。
リガトーニは正しく茹でることさえ押さえれば、スパゲッティにはない厚みのある食感と、ソースのリッチな絡みを楽しめる万能なショートパスタです。
シェフのアレンジ料理「欧風ビーフカレーのリガトーニ」 ― 茹でコツや合わせ方の実践的なヒントが参考になります