ベリーニ カクテルの由来とイタリアが生んだ名前の秘密

ベリーニカクテルの由来はルネサンス期の画家の名前にある?サイゼリヤで楽しむワインとの関係、プロセッコと白桃の歴史、ハリーズバーの誕生秘話まで徹底解説。あなたはベリーニをどこまで知っていますか?

ベリーニ カクテルの由来とイタリアが生んだ歴史の全貌

サイゼリヤの白ワインを頼む前に、この一文を読んでください。ベリーニを「桃のカクテル」だと思って頼んでいると、本場イタリアで的外れな注文をして恥ずかしい思いをすることがあります。


🍑 ベリーニ カクテルの由来:3つのポイント
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由来は15世紀の画家の名前

ベリーニというカクテル名は、ルネサンス期のヴェネツィア派画家「ジョヴァンニ・ベリーニ(1430頃〜1516)」に由来。1948年、ヴェネツィアのハリーズ・バーで考案された。

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プロセッコ×白桃ピュレが正統レシピ

本場レシピはヴェネト州産スパークリングワイン「プロセッコ」と白桃ピュレを2:1で合わせたもの。シャンパンは使わないのが正しい。

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ヘミングウェイが世界に広めた

ハリーズ・バーの常連だったアーネスト・ヘミングウェイがベリーニを絶賛し、世界的名声を持つカクテルとなった。サイゼリヤ流アレンジとの違いも要チェック。


ベリーニ カクテルの由来となった画家ジョヴァンニ・ベリーニとは


ベリーニというカクテルの名前は、お酒とはまったく関係のない人物に由来しています。その人物とは、15世紀イタリアのルネサンス期を代表するヴェネツィア派の画家、ジョヴァンニ・ベリーニ(Giovanni Bellini、1430年頃〜1516年)です。


ジョヴァンニ・ベリーニはイタリア・ヴェネツィア出身で、一族のほぼ全員が画家という芸術家の家系に生まれました。兄ジェンティーレ・ベリーニも著名な画家であり、義兄弟に当たるアンドレア・マンテーニャの影響を強く受けながらも、独自のスタイルを確立していった人物です。


初期の作風は硬質で力強いものでしたが、1480年代以降は油彩技法を積極的に取り入れ、華麗な色彩と柔らかな光の表現を生み出しました。代表作「ピエタ」や「総督レオナルド・ロレダンの肖像」は現在も世界中の美術館に収蔵され、ルネサンス美術の教科書に必ず登場する傑作です。


ベリーニはヴェネツィア絵画の父とも称される存在です。


その弟子にはティツィアーノ・ヴェチェッリオとジョルジョーネという2人の天才がいました。これがカクテルの世界とも密接につながっています。後述するベリーニのバリエーションカクテルには、この弟子たちの名前が付けられているのです。


サイゼリヤでイタリアワインを楽しむ方にとって、こうしたイタリア芸術との結びつきを知っておくと、食事の会話が格段に豊かになります。ベリーニという一杯が、500年以上前の芸術家へのオマージュだとわかると、飲み口もまた変わって感じられます。


ヴェネツィア派の画家については、国立西洋美術館のオンライン解説も参考になります。


国立西洋美術館 公式サイト(ルネサンス絵画の解説あり)


ベリーニ カクテルが誕生したハリーズ・バーと1948年の由来エピソード

カクテル「ベリーニ」が生まれた場所は、イタリア・ヴェネツィアの「ハリーズ・バー(Harry's Bar)」です。サン・マルコ広場のすぐ近く、リアルト橋のたもとにある老舗で、1931年にジュゼッペ・チプリアーニ氏によって創業されました。


誕生年は1948年です。


この年、ヴェネツィアでジョヴァンニ・ベリーニの大規模な絵画展が開催されました。ハリーズ・バーはその展覧会のすぐそばに位置しており、オーナーのチプリアーニ氏はこれを記念した特別カクテルを考案しようと思い立ちます。彼がひらめいたのは、ヴェネト州産スパークリングワイン「プロセッコ」に、旬の白桃をピュレにして混ぜるという組み合わせでした。


完成したカクテルの淡いピンク色が、ベリーニの絵画に描かれた衣装の色に似ていたことも、命名の決め手になったといわれています。これは使えそうです。


ただし本場ハリーズ・バーでのベリーニは、素材に厳格なこだわりを持っています。使用する白桃は、旬である6月〜8月に収穫されたイタリア産の白桃に限られていました。現在は冷凍技術の進化により通年提供されていますが、旬の生の白桃を使ったベリーニは格別という評判があります。


また、ハリーズ・バーは王族・貴族・文豪など多くの著名人に愛された名店です。アーネスト・ヘミングウェイ、チャーリー・チャップリン、オーソン・ウェルズ、マーロン・ブランドといった名前が常連として記録に残っており、特にヘミングウェイの熱烈な推薦によってベリーニは世界的な知名度を得ました。


ハリーズ・バーは現在、ユネスコの無形文化遺産に関連するイタリアの文化的場所としても認定されている、まさに生きた歴史遺産のようなバーです。


なお、本場のハリーズ・バーでベリーニを1杯飲むと、税・サービス料込みで約3,800円前後かかることが訪問者の記録からわかっています。サイゼリヤのグラスワイン1杯100円と比べると38倍の価格差があることになります。これが本場の相場です。


ヴェネツィアの食文化やハリーズ・バーの歴史については、サントリーの公式コラムでも詳しく解説されています。


サントリー公式|第67回 ヴェネツィア、ハリーズ・バー ベリーニ(カクテルの由来や歴史を解説)


ベリーニ カクテルの正統レシピとプロセッコが由来に関わる理由

ベリーニの正統レシピは、国際バーテンダー協会(IBA)によって公式に定められています。その材料はシンプルで、プロセッコ100mlと白桃ピュレ50mlの2点のみです。つまり2:1の比率でプロセッコが主役という構成です。


プロセッコとは何か?というと、イタリア・ヴェネト州のトレヴィーゾ地区で作られる辛口のスパークリングワインです。フランスのシャンパンと似ていますが、使用するブドウ品種も製法も異なります。シャンパンは「シャルドネ」や「ピノ・ノワール」を伝統製法で発酵させますが、プロセッコは「グレーラ」品種を使いタンク内二次発酵で作られます。


つまり「ベリーニにシャンパンを使う」というのは厳密にはベリーニではありません。


ただし現実的には、プロセッコの代わりにスパークリングワイン全般を使うレシピも広く普及しており、バーや家庭では柔軟に代用されています。白桃ピュレも、旬のフレッシュな生桃を使うのが最も本格的ですが、ピーチネクターや桃缶のシロップ漬けをミキサーにかけたものでも十分に楽しめます。


作り方の基本は以下の流れです。


  • 🍑 白桃(またはピーチジュース)をグラスに先に入れる
  • 🥂 よく冷えたプロセッコ(またはスパークリングワイン)を静かに注ぐ
  • 🍹 バースプーンでグラスの底から優しくすくい上げるようにステアして完成


炭酸が抜けないよう、ワインは必ず静かに注ぐのが基本です。


アルコール度数は9〜10%前後と、ビール(約5%)より高めです。見た目がフルーティーで飲みやすいため、つい飲み過ぎてしまいがちな点には注意が必要です。グラス1杯(約150ml)あたりのカロリーはおよそ100〜120kcal程度と見られます。


カクテルの言葉(カクテル言葉)は「歓喜」です。食前酒として、パーティーの乾杯として、まさにぴったりの言葉が与えられています。


サントリーによるベリーニの公式レシピも参考になります。


サントリー公式カクテルレシピ|ベリーニ(材料・作り方の詳細)


ベリーニ カクテルのバリエーションとイタリア由来の画家・芸術家シリーズ

ベリーニが広まるにつれ、同じスパークリングワインベースでフルーツだけを変えたバリエーションカクテルが次々と生まれました。面白いのは、これらすべての名前がイタリアの芸術家・作曲家に由来している点です。


ベリーニを「元祖」とするこのシリーズを一覧にすると、以下のようになります。


カクテル名 使うフルーツ 名前の由来
🍑 ベリーニ 白桃ピュレ 画家 ジョヴァンニ・ベリーニ(1430頃〜1516)
🍓 ロッシーニ ストロベリーピュレ 作曲家 ジョアキーノ・ロッシーニ(1792〜1868)
🍊 プッチーニ マンダリンオレンジジュース 作曲家 ジャコモ・プッチーニ(1858〜1924)
🍇 ティツィアーノ グレープジュース 画家 ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(1490頃〜1576)
🌿 ティントレット フレッシュザクロジュース 画家 ティントレット(1518〜1594)


ここで注目したいのは、ティツィアーノとティントレットがジョヴァンニ・ベリーニの系譜に連なる画家である点です。ティツィアーノはベリーニの弟子であり、ベリーニが亡くなった後にヴェネツィア派を継承した人物です。師と弟子が別々のカクテルの名前になっているというのは、芸術史的にも興味深い構造です。


またロッシーニとプッチーニは画家ではなくオペラ作曲家です。これはイタリアの文化全般への敬意が込められたネーミングと考えられます。


イタリア1988年にはスプマンテメーカー「カネッラ(Canella)」が、ベリーニをボトルに詰めたRTD(Ready To Drink)商品を発売し、これが大ヒット。「ロッシーニ」など他のバリエーションも商品化されています。現在は輸入食材店やオンラインショップで購入でき、価格は1本あたり約1,800〜2,500円前後です。


サイゼリヤのドリンクバーにはスパークリングワインこそありませんが、白ワイン(グラス1杯100円)とアップルジュースやオレンジジュースを組み合わせることで、ベリーニ的な楽しみ方を手軽に体験することができます。公式のお勧めではありませんが、イタリアの食卓文化に親しむきっかけとして試してみる価値はあります。


ベリーニのバリエーションについて詳しく知りたい方は、以下のサイトも参考になります。


カクテルレシピ専門サイト|ベリーニの特徴・由来・バリエーション一覧(材料・度数・カクテル言葉まで詳細)


サイゼリヤ好きが知っておきたいベリーニ カクテルの由来と楽しみ方の応用

サイゼリヤはイタリア料理を手軽に楽しめるチェーンレストランとして、多くの人に親しまれています。グラスワイン1杯100円という驚異のコスパで知られており、ワイン好きにとっても嬉しい選択肢です。そのサイゼリヤで食事をするとき、ベリーニの由来を知っているかどうかで、楽しみ方がひと回り広がります。


サイゼリヤには「セットドリンクバー」があり、アップルジュースやオレンジジュースなど複数のフルーツジュースが含まれています。これに白ワインを合わせることで、ベリーニの「精神」に近いワインカクテルを楽しむことが可能です。もちろん厳密なレシピではありませんが、こうした「なんちゃってベリーニ」をイタリア由来の知識を持って楽しむのは、食文化の楽しみ方としておかしくはありません。


「ベリーニは画家の名前」という豆知識を持つだけで会話が変わります。


また、サイゼリヤのメニューにはイタリア語・イタリア文化由来の名称が多く使われています。食事の場でそれらの背景を少し語れるようになると、テーブルの雰囲気が豊かになります。たとえばサイゼリヤの定番メニューである「エスカルゴのオーブン焼き」はフランス語由来、「ミラノ風ドリア」はイタリアの都市ミラノ(Milano)に由来、そして「カルボナーラ」はイタリア語で「炭焼き職人風」という意味を持ちます。


ベリーニのカクテル言葉は「歓喜」です。


食前酒として、誰かと一緒に乾杯するシーンで選ぶなら、カクテル言葉の意味まで添えて伝えると特別感が増します。ベリーニを本格的に楽しみたい場合は、市販のプロセッコと桃の缶詰を用意して自宅で作るのが最も手軽です。スパークリングワインは1本1,000〜1,500円前後のもので十分美味しく作れます。


ベリーニを作る際のポイントは「材料をあらかじめよく冷やす」「スパークリングワインは静かに注ぐ」「ステアは底から持ち上げるだけにする」の3点です。この3点を覚えておけばOKです。


アルコール度数は9〜10%と意外に高めな点に注意しながら、食前の1杯として適量を楽しむのがベリーニの正しい向き合い方です。サイゼリヤでの食事前に、白ワインを片手にベリーニの歴史を語れるようになったら、あなたはもう立派な「ベリーニ通」です。


国際バーテンダー協会(IBA)によるベリーニの公式レシピはこちらから確認できます。


IBA(国際バーテンダー協会)公式サイト|ベリーニの公式レシピ(英語・正式材料・分量)




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