カルディのボッタルガパスタソース(267円)は、加熱してから麺と絡めないと本来の旨味が7割しか出ない。
「ボッタルガ(Bottarga)」という言葉に、はじめて聞く人も多いかもしれません。ひと言で説明すると、ボラやマグロの卵巣を塩漬けにして乾燥させた食材で、日本でいう「カラスミ」の一種です。地中海のサルデーニャ島(イタリア)が産地として特に有名で、現地では「サルデーニャの金」とも呼ばれるほどの高級品です。
日本のカラスミと混同しがちですが、微妙に異なります。日本のカラスミはよりまろやかで上品な甘みが特徴であるのに対し、ボッタルガはやや強い塩気と独特の磯の香りが際立ちます。加工方法や塩分・乾燥具合が違うためで、どちらが優劣ということではなく、風味の個性が異なるということです。
つまりボッタルガとカラスミは兄弟のような存在です。
そんなボッタルガがカルディでは267円から手に入ります。一般的に本物のボッタルガを料亭や専門店で食べようとすると、1皿で1,000円〜2,000円ほどかかることも珍しくありません。それを考えると、いかにコスパが高いかがわかります。カルディは年間を通じてこのソースを販売しており、一時期はテレビ「めざましテレビ」でも紹介されて話題になりました。
カラスミが日本三大珍味のひとつとして知られていることを知っている人は多いかもしれませんが、その「イタリア版」が気軽に買える時代になっています。これは使えそうです。
ボッタルガの歴史はかなり古く、地中海沿岸では紀元前の時代から似たような保存食が作られていたという記録があります。日本にカラスミが伝わったのは1652年ごろで、中国(唐)から長崎に伝来したとされています。西洋と東洋が、まったく別のルートで同じ「魚の卵の塩漬け乾燥食品」という発明にたどり着いていたのは、非常に興味深いことです。
▶ サルデーニャ産ボッタルガの歴史・食べ方について詳しく解説した参考記事
カルディでは現在、ボッタルガ関連商品が大きく2種類展開されています。買い物に行って「どっちにするか」迷う人が多いので、ここで整理しておきましょう。
まず1つ目は「ボッタルガのパスタソース」(60g・267円・税込)です。からすみパウダーをベースに、ガーリック・魚醤・唐辛子・ブラックペッパー・ねぎ油を加えて仕上げたオリジナルソースです。温めて茹でたパスタに絡めるだけで使える手軽さが特徴で、調理初心者でも失敗しにくい設計になっています。カロリーは1袋(60g)あたり187kcalで、1人前として設計されています。
2つ目は「サルダアッフミカーティ ボッタルガパウダー」(20g・548円・税込)です。イタリア・サルデーニャ産のボラ卵巣を乾燥させてパウダー状にしたもので、こちらは輸入品です。冷蔵保管が必要で、20g入りながら2人前のパスタが作れます。ソースのように味付けは施されておらず、素材そのものの風味を楽しめます。
| | ボッタルガのパスタソース | ボッタルガパウダー |
|---|---|---|
| 価格 | 267円 | 548円 |
| 内容量 | 60g(1人前) | 20g(2人前分) |
| 保存方法 | 常温 | 冷蔵(10℃以下) |
| 味付け | 済み(ガーリック・魚醤等) | なし(素材そのまま) |
| 対象者 | 手軽に試したい人 | 自分でアレンジしたい人 |
両者の大きな違いは、ソースは「混ぜるだけ」で完結するのに対し、パウダーは自分でオリーブオイル・ニンニク・パスタの茹で汁などと組み合わせて乳化させる本格派向けという点です。
パウダーの方が価格は高いですが、素材の純粋な旨味を感じたい場合はこちらが圧倒的に深みがあります。ウニとイクラを合わせたような、磯の凝縮した旨味と表現する人が多くいます。本格派にはパウダーが条件です。
なお、ソースタイプはオンラインストアで在庫切れになることがあるため、店頭で見かけたときに購入しておくのが安心です。パウダータイプは比較的安定して入手できますが、冷蔵コーナーにあるため店舗によって取り扱いが異なります。
▶ カルディ公式サイト:サルダアッフミカーティ ボッタルガパウダー 20g(商品ページ)
カルディのボッタルガのパスタソースは「混ぜるだけ」のように見えますが、実は加熱方法とタイミングに少し工夫が必要です。やり方を間違えると、せっかくのボッタルガの風味が飛んでしまうことがあります。
基本的な手順は次の通りです。
重要なポイントが3つあります。まずパスタを1分短めに茹でること。ソースと絡める際に余熱で火が通るため、茹ですぎると麺が柔らかくなりすぎます。次に、ソースは絶対にフライパンで温めること。電子レンジでもできますが、フライパンの方がソースが均一に熱せられ、パスタとの絡みが格段によくなります。そして3つ目が青ネギを惜しまないこと。パッケージにも「たっぷりの青ネギをトッピングするのがおすすめ」と明記されており、これを省くと濃厚すぎて重い印象になります。
青ネギが正解、という声は複数のレビューで共通しています。
アレンジとして、ベーコン(60g)や豆苗(30g)をバターで炒めてから合わせると、ボリュームと旨みが増して満足度が上がります。また、ベビーホタテやイカと組み合わせると、海の風味が重なり合って本格的なシーフードパスタに仕上がります。スーパーで安くなっているシーフードがあれば、積極的に組み合わせてみてください。
逆に注意したいのは、このソースは塩気がかなり強めであるという点です。パスタを100gに対してソース1袋(60g)が標準ですが、薄味が好きな場合はソースを少し減らすか、野菜(キャベツ・豆苗など)を多めに加えるのが有効です。「少し脂っぽい」と感じる人もいるため、さっぱり感を出したいときは青ネギ+柚子胡椒のちょい足しが効果的です。
カルディのボッタルガパウダーを使った自作レシピに挑戦したい方向けに、より本格的な作り方を紹介します。ソースタイプと違い、乳化という工程が加わりますが、慣れれば10〜15分で完成します。
材料(2人前)
- ボッタルガパウダー:20g(1袋)
- パスタ:180g
- ニンニク:2〜3片
- 玉ねぎ:1/2個(約100g)
- 赤唐辛子:1本
- オリーブオイル:大さじ2
- パスタの茹で汁:80ml
- パセリ(みじん切り):適量
- 刻みのり:お好みで
作り方のポイント
最も重要な工程が「乳化」です。乳化とはオイルと水分(茹で汁)を一体化させることで、パスタにとろみのあるソースがしっかり絡むようになります。乳化のコツは、茹で汁を入れた後に沸騰させながらしっかりかき混ぜることです。フライパンを振らなくても、勢いよくかき混ぜ続けるだけで乳化できます。
次に大切なのが、ボッタルガパウダーは加熱しすぎないこと。パスタを絡める最終工程でパウダーを加え、素早く和えることで香りが飛ばずに残ります。火を止めた後に投入するくらいのタイミングが理想的です。これが条件です。
さらに一工夫として、玉ねぎを電子レンジで加熱(600W・4分)してからオリーブオイルで炒めると、玉ねぎの甘みがソースに深みを加えます。一見無関係に思えますが、ボッタルガの塩気と玉ねぎの甘みの組み合わせは非常に相性がよいです。
仕上げにオリーブオイルをひとたらし、刻みのりを添えると見た目も本格的になります。刻みのりとボッタルガの磯の風味が重なり、和とイタリアンが融合したような奥深い一皿に仕上がります。これも意外ですね。
▶ クックパッド:ボッタルガ(イタリアのからすみ)のパスタ by ブルゴーニュ・ピノ(参考レシピ)
サイゼリヤのメニューにも「タラコソース シシリー風」というパスタがあり、これはボッタルガを日本人向けにアレンジしたシーフードパスタです。サイゼリヤでその味に慣れた人なら、カルディのボッタルガ商品はさらに本格的な風味を楽しめる次のステップといえます。
カルディのボッタルガは、パスタ以外にも幅広く使えます。知らずにパスタだけで消費している人が多いですが、実はアレンジの幅が広いです。
① ボッタルガポテトサラダ
ゆでたじゃがいもにボッタルガパウダーをまぶし、オリーブオイルとレモン汁を和えるだけの超簡単おつまみです。ポテトの甘みとボッタルガの塩気と旨みが絶妙にマッチします。お酒のアテとして優秀で、ビール・白ワイン・日本酒いずれとも相性が抜群です。作業時間は10分以内で完成します。
② ボッタルガのリゾット
米をオリーブオイルで軽く炒め、チキンブロスやアサリ出汁を加えてリゾットにしてから、仕上げにボッタルガパウダーを振りかけます。イタリアのレストランで出てくるような一皿が家で再現できます。生クリームを少し加えると、よりまろやかなクリームリゾットになります。
インスタグラムで人気の食べ方で、通常のペペロンチーノ(ニンニク・鷹の爪・オリーブオイル)に仕上げでボッタルガパウダーをたっぷり振りかけ、刻んだ大葉を散らす組み合わせです。大葉の爽やかな香りがボッタルガの濃厚なコクと塩気を引き立て、「大人のペペロンチーノ」として完成します。
サイゼリヤのメニューで魚卵の旨みに親しんだ人には、これらのアレンジは全部試してほしいです。お店のパスタを食べるより1食あたりのコストを大幅に抑えながら、家で本格的な風味を楽しめます。コスパ重視のサイゼリヤファンにとって、カルディのボッタルガ商品は「外食の代替選択肢」として非常に魅力的な存在といえます。