カッサータとは何か、シチリア島発祥の伝統デザートの魅力

カッサータとはイタリア・シチリア島生まれのアイスチーズケーキ。実は日本版と本場版は見た目も作り方も全然違うって知っていましたか?

カッサータとは?シチリア島が生んだ伝統アイスデザートの全貌

サイゼリヤのデザートを愛する人ならイタリアスイーツに興味があるはず。でも、あなたが「カッサータ」と思っているものは、本場シチリアのカッサータとはまったくの別物です。


この記事でわかること
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カッサータとは何か?

イタリア・シチリア島パレルモ発祥、10世紀から続く伝統デザート。正式名称は「カッサータ・シチリアーナ」でリコッタチーズが主役のアイスケーキ。

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日本版と本場版は実は別物?

本場シチリアのカッサータは円形+緑のマジパン+スポンジ入り。日本でよく見る四角い冷凍アイスケーキとは見た目も製法も大きく異なる。

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自宅で作れる?

材料4〜5つで意外なほど簡単。クリームチーズ・生クリーム・砂糖・ドライフルーツ・ナッツを混ぜて冷凍するだけで本格的な味わいが楽しめる。


カッサータとは何か:正式名称と基本の定義


「カッサータ」という言葉は、日本では2021年ごろからコンビニスイーツとして一気に知名度が上がりました。しかし、このお菓子の歴史は実はかなり深く、少なくとも1575年にはシチリアの修道院の記録に名前が登場しています。


正式名称は「カッサータ・シチリアーナ(Cassata Siciliana)」といいます。イタリア語で「シチリアのカッサータ」という意味であり、イタリア本国でも「カッサータ」と言えばまずこのシチリア版のことを指します。名前の語源については諸説ありますが、アラビア語で「ボウル」や「乳製品」を意味する言葉「qas'at」が由来という説が有力です。


日本でよく見かけるカッサータの定義はこうです。リコッタチーズまたはクリームチーズをベースにした濃厚なクリームに、ドライフルーツとナッツを刻んで混ぜ込み、型に流し入れて冷凍庫で固めたデザートです。半解凍の状態でスライスして食べるのが基本です。


つまりアイスケーキの一種ということですね。


食べるタイミングによって食感が変わるのも面白い点で、冷凍庫から出して約5分後はシャリっとした食感、約30分後はレアチーズケーキに近いしっとりした口どけになります。1つのデザートで複数の食感を楽しめるのがカッサータの最大の魅力です。


【ロッテ公式】シチリアで出合った本場カッサータの甘さと特徴についての詳細レポート


カッサータ シチリア島での誕生:10世紀のアラブ統治が起源

カッサータの起源は、今から1000年以上前にさかのぼります。これは意外ですね。


10世紀のシチリア島はアラブ人の統治下にありました。当時のアラブ人がリコッタチーズにはちみつを混ぜてボウルで保存していた食べ物、「クワッサットゥ」と呼ばれるものがカッサータの原型です。砂糖はまだ高価な時代でしたが、アラブ世界ではすでに甘味を使ったデザート文化が発展していたため、シチリア島にその文化が持ち込まれました。


その後、王宮に仕えるシェフが2枚の生地でクワッサットゥを挟んで焼いたことで、最初の「カッサータ」が誕生したとされています。驚くことに、カッサータはもともと焼き菓子だったのです。


現在もシチリアには「カッサータ・アル・フォルノ(cassata al forno)」という焼きカッサータが存在しています。日本のイメージとは全然違いますね。


冷製のカッサータが生まれたのは、11世紀にシチリアがノルマン人の支配下に入ったころです。この時期にマジパンが普及し始め、クリームをマジパンで包むスタイルが修道院で作られるようになりました。その後16世紀ごろにスペインの統治下でチョコレートが加わり、フルーツの砂糖漬けが飾られるようになって、現在の本場シチリアのカッサータの形が完成しました。


























時代 出来事
10世紀 アラブ統治下のシチリアで「クワッサットゥ」誕生(原型)
11世紀 ノルマン統治時代に冷製+マジパン仕様が修道院で普及
1575年 シチリア西海岸の修道院でイースター菓子として文書に記録
16世紀〜 スペイン統治期にチョコレート・フルーツ砂糖漬けが加わる
2021年 ローソン・セブン-イレブンが冷凍・チルドで販売し日本で話題に


シチリアではカッサータは今でもイースター(復活祭)に欠かせない特別なお菓子として位置づけられています。日本で年中食べられているのとは対照的に、本場では季節の行事と結びついた格式あるスイーツなのです。


【kimini】カッサータの歴史とシチリア島での位置づけについての詳細解説


カッサータとは本場版・日本版の大きな違い:見た目も材料も別物

「カッサータ」という同じ名前がついていながら、本場シチリアのものと日本で広まっているものは、見た目も材料もかなり異なります。これが条件です。


まず本場シチリアのカッサータは、丸いドーム型が基本です。リコッタチーズとチョコレートを混ぜたクリームをスポンジ生地で包み込み、表面全体を緑色のマジパンで覆い、砂糖漬けのフルーツを放射状に飾りつけします。緑色は欠かせないパーツで、SNSで「#cassatasiciliana」を検索すると、ほぼすべての投稿に緑が使われています。


一方、日本のカッサータはどうでしょうか。四角いパウンドケーキ型に、クリームチーズまたはリコッタチーズ+生クリームのベースにドライフルーツとナッツを混ぜ込んで冷凍するスタイルが主流です。スポンジ生地もマジパンも使いません。



  • 🇮🇹 本場シチリア版:丸型・緑マジパン・スポンジ包み・砂糖漬けフルーツトッピング・非常に甘い

  • 🇯🇵 日本版:四角型・マジパンなし・スポンジなし・ドライフルーツ&ナッツ混ぜ込み・比較的あっさり


本場のカッサータを実際に食べたことがある人は「胸が焼けるくらい甘い」「おそろしく甘い」と表現しています(菓子文化研究家・澁澤龍彦の著作にも同様の記述があります)。これは面白いですね。


日本版は、いわば「日本人の口に合わせてアレンジされた二次創作カッサータ」といえます。フランスの冷菓「ヌガー・グラッセ」(生クリームとメレンゲにドライフルーツやナッツを混ぜた冷菓)に近いスタイルで、本場の「めちゃくちゃ甘い」スイーツを日本人好みに落とし着かせたものです。どちらが美味しいかではなく、別の食べ物として楽しむのが正解です。


【チーズケーキ通信】日本と海外のカッサータの違いについての詳細考察


カッサータとセミフレッドの違い:サイゼリヤ好きが知っておくべき区別

サイゼリヤのデザートメニューを見ていると「セミフレッド」という言葉に出会います。カッサータとセミフレッドは似ているようで、実は構造が全然違います。


セミフレッドとはイタリア語で「半分(セミ)冷たい(フレッド)」という意味の冷菓です。基本の材料は生クリームとカスタードクリーム、またはメレンゲを合わせたもので、空気をたっぷり含ませながら冷凍します。空気を抱き込むことで、完全に凍っても硬くなりすぎず、スプーンがすっと入るふんわり軽い食感が特徴です。


一方カッサータは、チーズクリームにドライフルーツやナッツを混ぜ込んで冷凍するため、より密度が高く、食感に固形感があります。半解凍で食べることで、外はやわらかく中はしゃりっとした2層の食感が楽しめます。



























カッサータ セミフレッド
ベース素材 リコッタ/クリームチーズ 生クリーム+カスタード/メレンゲ
食感 密度があり、しっかり固め ふんわり軽い、口溶け滑らか
特徴的な具材 ドライフルーツ・ナッツ 基本具材なし(バリエーションあり)
発祥 シチリア島(南イタリア) イタリア全土


つまりカッサータは「チーズベースの具入り冷凍スイーツ」、セミフレッドは「空気含みのふんわり冷菓」ということですね。サイゼリヤでセミフレッドを食べる機会があれば、「あ、これがカッサータとは違うイタリアスイーツか」と少し違う目で楽しめます。


イタリアンレストランのデザートを見るときに、この2つを区別できると、メニュー選びが格段に楽しくなります。これは使えそうです。


カッサータを自宅で作る方法:サイゼリヤ好きが家でも楽しめる簡単レシピ

カッサータは見た目の華やかさに反して、自宅で驚くほど簡単に作れます。基本の材料は4〜5種類で、特別な道具もいりません。


【基本材料(パウンド型1本分)】



  • 🧀 クリームチーズ:200g(常温に戻す)

  • 🥛 生クリーム:200ml

  • 🍬 砂糖:40〜60g(お好みで調整)

  • 🍇 ドライフルーツ(クランベリー・レーズン・マンゴーなど):80〜100g

  • 🥜 ミックスナッツ(無塩):80g

  • 🥃 ラム酒またはブランデー:大さじ1〜2(省略可)


【作り方のポイント】


まず生クリームを八分立てにします(スプーンですくうとゆっくり落ちる程度)。常温に戻したクリームチーズと砂糖をよく混ぜ、そこへ八分立ての生クリームを加えてさっくり合わせます。刻んだドライフルーツとナッツを加えて混ぜ込んだら、ラップを敷いたパウンド型に流し入れ、冷凍庫で4〜6時間以上固めます。


食べるときが重要です。冷凍庫から出してすぐではなく、室温に15〜20分ほど置いてから切ると、外はやわらかく中はしゃりっとした食感の最高の状態で食べられます。温めた包丁でスッと押し切るとカットがきれいにできます。


リコッタチーズが手に入る場合は、クリームチーズの代わりに使うとより本格的でさっぱりした風味になります。スーパーではリコッタチーズの入手が難しい場合もありますが、カルディや成城石井などの輸入食品店には置いてあることが多いです。


ドライフルーツの選び方が仕上がりの個性を決めます。クランベリーの酸味、オレンジピールの苦み、レーズンの甘みを組み合わせると、食べ進めるほどに表情が変わる本格的なカッサータになります。ピスタチオを加えると見た目の彩りも増します。


カッサータが日本で話題になった背景:2021年コンビニが火付け役だった

カッサータ自体は日本で数十年前から存在していたスイーツです。1990年に出版された『洋菓子百科事典』(同朋舎出版)にはすでに「カッサータ・アッラ・シチリアーナ」として紹介されており、料理レシピサイト「クックパッド」には2003年にはすでにレシピが投稿されていました。


では、なぜ2021年から急に話題になったのでしょうか。


きっかけは2021年3月のタリーズコーヒーによるソイミルクカッサータの販売、そして同年4月のローソンの冷凍カッサータ発売です。ローソンの「ドライフルーツとナッツのカッサータ」が話題になり始め、決定的なブームを作ったのが同年10月のセブン-イレブンによるチルドカッサータです。チルドタイプは冷凍と違い、買ってそのまま食べられる手軽さがあり、売り切れが続出する店舗も現れました。


これはマーケティング的な構造の話としても興味深いです。当時のメディアとコンビニ各社は「ポスト・マリトッツォ」になり得る次のイタリアスイーツを探していました。カッサータはマリトッツォと同じイタリア発祥であり、「カッサータ」というキャッチーな響きがあり、親しみやすい味でありながら名前に目新しさがある——まさに流行る条件が揃っていたのです。


現在では流行のピーク期は過ぎましたが、通販やカフェメニューとして定着しています。サイゼリヤのようなイタリアンチェーンを日常的に楽しんでいる方には、カッサータはいつでも自宅で楽しめるイタリア本格スイーツとして、ぜひ知っておいてほしい存在です。コンビニでも定期的に期間限定商品として登場するため、見かけたら積極的に試してみることをおすすめします。


【チーズケーキ通信】カッサータが2021年以降に日本で急に注目された理由と背景の分析




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