サイゼリヤのエスプレッソに砂糖を入れないと、本来の完成品にならないってご存知でしたか?
「カフェフレッド(Caffè freddo)」は、イタリア語で「冷たいコーヒー」という意味です。「カフェ(caffè)」はコーヒー、「フレッド(freddo)」は「冷たい」を表します。ちょうど「ホット/コールド」の冷たい側にあたる言葉で、イタリア現地のバール(カフェ)では夏になると定番メニューとして登場します。
イタリア人にとって「カフェ」といえばエスプレッソのことを指します。つまりカフェフレッドとは、エスプレッソをベースにした冷たい飲み物です。
日本人が「コーヒー=ドリップコーヒー」を連想するのとは前提が異なります。言葉の意味を知らずにバールで頼むと、想像とまったく違うものが出てくることもあります。
実際にイタリア現地のバールでは、バリスタが朝出勤すると同時にエスプレッソマシンをフル稼動させ、大量のカフェを一気に淹れます。まだ熱いうちに砂糖をたっぷり加えて冷まし、冷蔵庫で保管します。これが夏場の「作り置きカフェフレッド」です。つまり、カフェフレッドが基本です。
保管には洗浄済みのワインボトルやピッチャーが使われるなど、手作り感あふれる運用が今もイタリアの多くのバールで続いています。知られていない意外な事実ですね。
「カフェフレッドって要するにアイスコーヒーでしょ?」と思うかもしれませんが、実はまったく別の飲み物です。日本のアイスコーヒーとの違いは3つあります。
① 使うコーヒーの種類が違う
日本のアイスコーヒーはドリップコーヒーを濃いめに抽出して急冷したものが主流です。一方、カフェフレッドはエスプレッソを使います。エスプレッソは9気圧の高圧で抽出する約30〜40mlのコーヒーで、同量のドリップコーヒーと比べてコクと香りが段違いです。
② 氷を直接入れない
イタリア人はコーヒーに直接氷を入れることをひどく嫌います。「味が薄くなる」という理由から、バールで日本式のアイスコーヒーを注文すると怪訝な顔をされます。カフェフレッドはエスプレッソを冷蔵庫で冷やすか、または後述するシェケラート(シェイカーで急冷する方法)で作ります。氷はグラスに入れないのが原則です。
③ 砂糖を最初に溶かしておく
実はエスプレッソを無糖で飲むのは世界では日本だけです。本場イタリアでは、砂糖を入れることを前提にエスプレッソの味が設計されています。カフェフレッドも同様で、エスプレッソがまだ熱いうちに砂糖を十分に溶かしておくのが正しい作り方です。冷えてから砂糖を加えても溶けにくいため、この順番が条件です。
日本のアイスコーヒーは「薄まりにくい・香りを保つ急冷式」という独自の工夫が詰まった飲み物で、実は明治時代(19世紀末)にはすでに「氷コーヒー」として存在していた歴史ある文化です。どちらが優れているというわけではなく、文化の違いとして知っておくと楽しいです。
| 比較項目 | カフェフレッド(イタリア式) | 日本のアイスコーヒー |
|---|---|---|
| ベースコーヒー | エスプレッソ(約30〜40ml) | ドリップコーヒー(濃いめ) |
| 氷の使い方 | グラスに直接入れない | グラスに氷を入れて急冷 |
| 砂糖 | 熱いうちに溶かす | 後からガムシロなど |
| 量 | 少量(デミタス程度) | 多め(200〜400ml程度) |
| 飲み方 | クイっと短時間で飲む | ゆっくり飲む |
以下の記事では、日本と各国のアイスコーヒーの違いが詳しくまとめられています。カフェフレッドの背景を理解するうえで参考になります。
アイスコーヒーの国際比較(日本のアイスコーヒーとの文化的違いについて):
アイスコーヒーは日本だけ?海外のアイスコーヒー事情も紹介 | UNICOFFEE
カフェフレッドの話をするとき、必ず一緒に登場するのが「カフェシェケラート(Caffè Shakerato)」です。どちらもイタリアの冷たいエスプレッソ飲料ですが、作り方が異なります。
カフェフレッドは、エスプレッソを砂糖とともに冷蔵庫でゆっくり冷やして作ります。シンプルで素朴な冷コーヒーです。
カフェシェケラートは、バーテンダーがカクテルを作るときのようにシェイカーを使います。熱いエスプレッソ・砂糖・氷をシェイカーに入れ、力強く振って急冷します。そのあと氷を入れずにカクテルグラスや細長いフルートグラスに注ぎます。シェイクすることで表面にコーヒーの細かい泡が立ち、見た目もおしゃれな一杯になります。
サイゼリヤとの関係はどこにあるでしょうか?
サイゼリヤはイタリアのバール文化に倣い、イタリア式エスプレッソにこだわっています。公式サイトでも「エスプレッソはミルクジェラートにかければアッフォガートになる」と紹介しており、本場のコーヒーアレンジを提案しています。サイゼリヤのエスプレッソはドリンクバーのセットにも含まれており、税込200円という価格で本格エスプレッソが楽しめます。これは使えそうです。
つまり、サイゼリヤのエスプレッソを使えば、家でも外食先でも「カフェフレッド風」アレンジは十分に再現できます。具体的には次のとおりです。
イタリアのコーヒー文化とバールの作法については、以下のページが非常にわかりやすくまとめています。
イタリア式エスプレッソの正式な基準(クレマ・砂糖・抽出量の詳細):
イタリアのコーヒー文化について | GAGGIA
「サイゼリヤの味を家で楽しみたい」という人は多いですが、実はカフェフレッドはエスプレッソマシンがなくても近い味を作ることができます。ただし、マシンなしで作る場合は仕上がりの濃度が本場より落ちるため、「雰囲気を楽しむ」という前提が条件です。
【本格版:エスプレッソマシンがある場合】
1. エスプレッソをダブルショット(約60ml)で抽出する
2. 熱いうちにグラニュー糖を小さじ1〜2杯加えてよく溶かす
3. シェイカーに氷3〜4個と一緒に入れる
4. 力強く10〜15秒シェイクする
5. 氷を入れずにカクテルグラスに注いで完成
【簡易版:インスタントコーヒー代用の場合】
1. インスタントコーヒーを少量のお湯(30〜40ml)で濃いめに溶かす
2. グラニュー糖を加えて熱いうちに溶かす
3. 密封できる容器に氷と一緒に入れて30秒ほど振る
4. 氷を除いてグラスに注ぐ
本場のカフェフレッドには「ロブスタ豆が25〜50%ブレンドされたイタリア系エスプレッソ」が使われます。ロブスタ豆は苦みとコクが強く、アラビカ豆100%では出せない深い風味が特徴です。サイゼリヤのエスプレッソもこのイタリア式に倣った豆を使用していると考えられ、家庭で再現する際のベースにもなります。
家庭用エスプレッソマシンを導入するほどでなければ、ネスプレッソ(カプセル式)などを使うと手軽にエスプレッソに近い濃度のコーヒーが出せます。カフェフレッドやアッフォガートなど複数のアレンジが楽しめる点は、普段のコーヒーライフを広げてくれる選択肢です。
クレーマ・ディ・カフェ(エスプレッソを泡立てたイタリアの冷スイーツ)の作り方参考:
クレーマ・ディ・カフェは簡単!本場イタリアのレシピをお家で再現 | bon senpai
ここからは、検索上位ではほとんど取り上げられない「サイゼリヤ×カフェフレッド」の組み合わせアレンジをご紹介します。サイゼリヤは低価格でありながら、実はイタリアのバール文化に根ざした本格コーヒーとデザートがそろっています。知っている人だけが得する楽しみ方です。
🍨 アッフォガート×カフェフレッド風
サイゼリヤのトリフのアイスクリームにエスプレッソを少量かけると「アッフォガート」になります。公式も推奨しているアレンジで、イタリアではバール定番のデザートです。エスプレッソをあらかじめ冷やしておく(カフェフレッドにする)と、アイスが溶けにくく最後まで食感を楽しめます。
🥛 カフェフレッドで作るカッフェ・ラッテ・フレッド(冷たいカフェラテ)
カフェフレッドを冷蔵庫で準備しておき、グラスに冷たいミルクを半量注いで、上からカフェフレッドを加えます。これが「カッフェ・ラッテ・フレッド(冷たいカフェラテ)」です。サイゼリヤのドリンクバーにはミルクもあるため、エスプレッソ+ミルクで応用が可能です。
🍮 セミフレッドとの相性
サイゼリヤには「セミフレッド」というデザートがありました(現在はメニュー変更あり)。「フレッド(冷たい)」という言葉が共通しており、セミフレッドは「半分冷たい」状態のアイスケーキです。カフェフレッドとセミフレッドを合わせるのは、まさにイタリアバール的な組み合わせです。
これらのアレンジはすべて「本場のバール文化を知っているかどうか」で楽しみ方の幅が大きく変わります。結論は「知識があるほどサイゼリヤをより深く楽しめる」ということです。
サイゼリヤのイタリア式コーヒー公式解説(エスプレッソ・カプチーノ・アッフォガートの楽しみ方):
イタリア式コーヒー | サイゼリヤ公式サイト