サイゼリヤのメニューでふと目にしたことがある人も多いはず。でも、こんな驚きの事実を知っていますか?
カルチョーフィを食べた後に水を飲むと、水が甘く感じられることがある。
これはカルチョーフィに含まれる成分「シナリン」が味覚に作用するためです。知らないまま食後に水を飲んで「?」となってしまうより、先に知っておいたほうが断然得。食べる前に一言ウンチクとして披露すれば、テーブルが盛り上がること間違いなしです。
サイゼリヤのメニューを見ていると「アーリオ・オーリオ」や「カルボナーラ」と並んで、少し聞き慣れない名前が登場することがあります。カルチョーフィとは、英語では「アーティチョーク」、日本語では「チョウセンアザミ」と呼ばれるキク科の植物のつぼみを食用にした野菜のことです。
つまり、カルチョーフィはイタリア語名、アーティチョークは英語名、同じものを指しています。
見た目はやや無骨で、松ぼっくりを大きくしたような球体です。外側の硬いガクを何枚も剥いていくと、中心に「クオーレ(芯)」と呼ばれる柔らかい可食部が現れます。味わいはタケノコやゆり根に似たホクホク感に、独特のほろ苦さが重なった、他にはない個性的なものです。
日本でもじわじわ注目が高まっています。長野県・静岡県・香川県などで国内栽培もされており、旬は5〜6月ごろ。高級スーパーや輸入食材店、またはオンラインショップでも手に入れられます。生のものが見つからないときは、オイル漬けの瓶詰めや缶詰が便利です。これならスーパーや通販で手軽に購入でき、カルチョーフィ パスタへの最初の一歩として非常に使いやすいです。
イタリアでは90種類以上の品種があると言われており、国民一人当たりの消費量も世界トップクラスです。「一年中カルチョーフィ!」というほど愛されている野菜です。
アーティチョーク(カルチョーフィ)の栄養・産地・旬についての詳細情報はこちら:
カルチョーフィの旬の時期・選び方・栄養効果の詳細(洋食はパスタで!)
https://www.grillkajitsu.jp/archives/77
カルチョーフィは、実は古代ギリシャ・ローマ時代から食べられていた、歴史3000年超の食材です。当初は薬草として扱われていましたが、15世紀のイタリア南部で食用栽培が本格化し、その後ルネサンス期にはヨーロッパ貴族の食卓にも登場するようになりました。
ローマとカルチョーフィは切っても切れない関係にあります。
ローマには、カルチョーフィを使った代表的な料理が2種あります。ひとつは「カルチョーフィ・アッラ・ロマーナ(ローマ風)」。ニンニクとミントを詰め、オリーブオイルで柔らかく蒸し煮したもので、ローマっ子が春になると食べずにはいられない定番料理です。もうひとつは「カルチョーフィ・アッラ・ジューデア(ユダヤ風)」で、丸ごと素揚げにして花のように開かせた見た目が圧巻の一品。ローマの旧ユダヤ人街「ゲットー」発祥で、1923年創業の老舗「ダ・ジジェット」では開業当初から看板メニューとして親しまれています。
カルチョーフィのパスタは、このローマの食文化の延長線上に生まれた料理です。オリーブオイルとニンニクでソテーし、アンチョビを加えてパスタと絡める。これがローマ庶民の家庭料理として定着してきました。歴史的背景を知ると、シンプルな見た目の一皿が急に深く見えてきます。
ローマのカルチョーフィ料理と老舗レストランの情報はこちら:
ローマっ子が愛するカルチョーフィの名店「ダ・ジジェット」情報(tutta-italia.com)
https://tutta-italia.com/destination/14810/
カルチョーフィ パスタを家庭で作るとき、最初の壁になるのが「下処理」です。でも、手順を知ってしまえばそれほど難しくありません。
まず旬の確認が基本です。
国内産の生カルチョーフィが出回るのは5〜6月が最盛期です。イタリア産はやや異なり、10月〜翌4月にかけて旬を迎えます。クックパッドなどのレシピでも「カルチョーフィの旬にいただく」という表現が多く見られるように、旬の素材を使うことでパスタの風味が段違いに変わります。
生のカルチョーフィを扱う場合、最重要ポイントは「レモン水へのつけ置き」です。切った断面が5分もすれば黒ずんでしまいます。下処理中はレモン水(水1Lに対してレモン半個分)を常に用意しておきましょう。外側の硬いガクを3〜4層剥き、上から1/3を切り落とし、茎の皮をピーラーで剥いてから20〜30分ほど塩茹でするのが基本の手順です。
ただし、旬以外の時期でも安心です。
オイル漬けの瓶詰めや缶詰を使えば、年間を通じていつでも気軽にカルチョーフィ パスタが作れます。Amazonやイタリア食材専門店「カモンテ」などで扱われている「メニュー社のカルチョーフィ・オイル漬け」は、プロの料理人も愛用するほど品質が高く、パスタにそのまま加えるだけで本格的な風味が出ます。オイル漬けの場合はすでに火が通っているため、仕上げに加えて軽くソテーするだけでOKです。
| 種類 | 特徴 | パスタへの使い方 |
|---|---|---|
| 生のカルチョーフィ | 旬の時期(5〜7月)のみ。下処理が必要 | 塩茹で後にソテーしてパスタと和える |
| オイル漬け瓶詰め | 年中入手可能。そのまま使える | カットしてソースに加えるだけ |
| 水煮缶詰 | 比較的安価。癖が少なめ | 水気を切ってニンニクと炒める |
カルチョーフィ パスタの味の骨格を作るのは、「ニンニク+オリーブオイル」という、ペペロンチーノと同じ組み合わせです。これにカルチョーフィのほろ苦さが加わることで、シンプルながら複雑な奥深さが生まれます。これは使えそうです。
以下が基本の作り方の流れです(2人分・約20分)。
アンチョビが味の要です。
アンチョビを加えることで、カルチョーフィのほろ苦さとオイルの脂っこさを、旨味と塩味でまとめ上げる効果があります。「塩が効いているな」と感じたらアンチョビの量を調整してください。アンチョビなしでも作れますが、その場合は塩と白ワインを少々加えると風味が引き締まります。
また、パンチェッタ(塩漬け豚バラ)を加えるアレンジも人気です。クックパッドには「カルチョーフィとパンチェッタのタリアッテッレ」などのレシピが複数掲載されており、豚の脂の甘みがカルチョーフィの苦みと対比して際立ちます。パスタの種類は細めのスパゲッティより、タリアッテッレやリングイネのような平打ちのほうがソースの絡みが良いとされています。
カルチョーフィは「美味しいだけ」の野菜ではありません。栄養価の高さが注目されており、近年ではスーパーフードとして取り上げられることも増えています。
食物繊維の量が際立っています。
カルチョーフィ(ゆで)の食物繊維は100gあたり約8.6gと、野菜の中でもトップクラスです。レタス(1.1g)の約8倍、ほうれん草(3.5g)の2倍以上に相当します。これだけの量を一皿のパスタで自然に摂れるのは、見逃せないポイントです。
特に「シナリン」の存在は意外ですね。
サイゼリヤでワインを楽しむ方にとって、翌日の二日酔いが少なくなるかもしれない可能性がある食材を使ったパスタ、というのは単純においしい以上の魅力があります。冒頭で触れた「水が甘く感じる」という現象も、このシナリンが舌の甘み受容体に影響するためで、医学的・科学的な実験でも記録されています。
栄養面だけでなく、カルチョーフィには低カロリーという特徴もあります。ゆでたもの100gあたりのカロリーは約45kcalとかなり低め。パスタとしての総カロリーはもちろん麺の量に左右されますが、具材そのものが太りにくいのは、パスタを楽しみながら健康を気にしている方にとって心強い情報です。
アーティチョークの栄養成分の詳細データ(フーズリンク・七訂日本食品標準成分表より):
https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/artichoke4.htm
サイゼリヤのパスタを食べて「なんでこんなに美味しいんだろう」と感じたことがある方は多いはず。その秘密のひとつは、素材の質とシンプルな構成にあります。カルチョーフィ パスタを自宅で作る際に、イタリアの家庭の味に近づくためのポイントが3つあります。
まず、オリーブオイルの使い方が重要です。
イタリアの家庭では、オリーブオイルはケチらずに使います。フライパンの底にしっかり広がる量(大さじ3〜4)を入れ、ニンニクをじっくり弱火で温めて香りを移すのが基本の「アーリオ・オーリオ」の手法です。ここを急ぐと焦げて苦くなるため、時間をかけることが条件です。
次に、パスタの茹で汁を必ず活用することです。
イタリア料理では「パスタの茹で汁」が、ソースを乳化させるための必須の食材です。澱粉質と塩分を含んだ茹で汁を大さじ3〜4加えることで、オイルと水分がひとつになりソースがパスタに絡みやすくなります。これがプロの仕上がりと家庭の仕上がりの差になります。
最後は、仕上げのチーズの選択です。
カルチョーフィとの相性がとくに良いのは「ペコリーノ・ロマーノ(羊乳のハードチーズ)」です。パルミジャーノよりもシャープな塩味と羊乳の風味が、カルチョーフィのほろ苦さを引き立てます。ローマ料理との相性が良く、カチョエペペやカルボナーラにも使われるチーズです。サイゼリヤでも「ペコリーノ・チーズ」はメニューや食材として関連性があり、サイゼリヤファンにとってはなじみのある選択肢です。
ペコリーノ・ロマーノは、カルディやイタリア食材専門店、Amazonなどで小分けパックが販売されています。500円前後から入手できるため、一度試してみる価値があります。買ったら冷蔵庫に常備しておくだけで、パスタの仕上がりが本格的に変わります。
ペコリーノ・ロマーノとローマのパスタの関係性についての参考情報:
イタリア料理とペコリーノ・ロマーノの豆知識(野澤組)
https://www.nosawa.co.jp/topics/cheese-fm/a16