塩を追加するとコテキーノが台無しになり、料理が全部しょっぱくなります。
コテキーノ(Cotechino)は、北イタリアのモデナ地方で誕生した豚肉の腸詰めソーセージです。豚の赤身・背脂・皮を細かく刻み、塩・コショウ・クローブ・シナモン・ナツメグといったスパイスで味付けしたものを腸に詰めて作ります。
その歴史は1511年までさかのぼります。教皇ユリウス2世の軍がモデナ近郊のミランドラという町を包囲した際、住民が貴重な豚肉を保存食として腸に詰めたのが起源といわれています。現在ではイタリア全土に広まり、「コテキーノ・モデナIGP(保護指定地域表示)」として欧州連合に公式認定された食材です。
つまり本場品には厳格な規定があるということですね。
コテキーノの見た目はソーセージを太くしたような形で、長さ約20cm・直径5〜7cm程度。はがきの縦幅くらいの大きさを想像してもらえると分かりやすいでしょう。茹で上がるとぷっくりと膨らみ、断面はピンクがかった赤色になります。
コテキーノの栄養価について、1993年から2011年の研究比較(イタリアの農産物研究機関CREA)によると、100gあたりのカロリーは319kcalから253kcalへ下がり、脂質も25.9gから16.3gへ改善されています。現代のコテキーノは昔より健康的になっているのです。
豚の皮がたっぷり入っているため、ゼラチン質が豊富なのも特徴です。食べると周りのねっとりとした食感と、中のミンチ肉の柔らかさが同時に楽しめます。
これは使えそうです。
【参考】本場モデナのコテキーノIGP公式ページ(生産方法・栄養価・歴史を詳しく解説)
コテキーノの調理は「茹でる」が基本です。生タイプとプリボイル(プレコット)タイプの2種類があり、それぞれ手順が異なります。
【生タイプの場合】
| 工程 | 内容 | 時間の目安 |
|---|---|---|
| ①下処理 | コテキーノをフォークでランダムに刺して穴を開ける | 3〜5分 |
| ②茹で | 冷たい水から弱火でゆっくり加熱する | 3〜4時間 |
| ③スライス | 2cm幅の輪切りにして盛り付け | 5分 |
重要なのは「冷たい水から火にかける」点です。いきなり沸騰したお湯に入れると皮が破裂し、中の旨味が流れ出てしまいます。弱火で3〜4時間かけてじっくり煮ることが、フワフワな仕上がりのカギになります。
弱火でじっくりが原則です。
【プリボイル(プレコット)タイプの場合】
袋に入ったまま沸騰したお湯に入れ、1時間ほど加熱するだけで完成します。日本の通販で入手できるものの多くはこのタイプなので、気軽に試せます。
ここで注意したいのが塩加減です。コテキーノ自体にはスパイスと塩が既にしっかり入っています。一緒に煮るレンズ豆の料理に塩を足しすぎると全体が塩辛くなります。塩は味見しながら最後に調整するのが条件です。
茹でた後のお湯は脂分が多いため再利用しません。また、一度冷まして翌日温め直すときは、鍋で再加熱するよりも電子レンジのほうが風味が安定します。
【参考】モデナ・フィーニ社コテキーノのプロ向け調理メモ(ゼラチン処理・塩分調整のポイントを記載)
コテキーノとセットで作るべきなのが、レンズ豆の煮込みです。どちらも揃って初めてイタリアの正月料理として完成します。
【材料(4〜6人分)】
【作り方】
レンズ豆は「食感が残る程度」に炊くのがポイントです。煮過ぎると豆が崩れてしまい、食感の面白さが失われます。
これが基本です。
🍷 ワインのペアリングメモ
コテキーノの脂っぽさをさっぱりさせるには、ランブルスコ(Lambrusco)という微発泡の赤ワインが本場モデナでの定番ペアリングです。サイゼリヤのランブルスコを合わせると、本場に近い雰囲気を楽しめます。
【参考】All About イタリアンの基本「コテキーノのレンズ豆添えレシピ」(6人分の詳細レシピと作り方のメモを掲載)
生のコテキーノを一から作るには3〜4時間の茹で時間が必要です。プレコット(precotto)タイプを選べば、1時間の湯煎だけで完成します。
日本でのコテキーノ入手方法は大きく3パターンあります。
| 入手先 | 商品例 | 価格帯の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Amazon | モントルシ フィーニ社 コテキーノ・モデナ 500g | 2,000〜3,500円前後 | 本場モデナIGP品。プレコットタイプで扱いやすい |
| 楽天市場 | 特製コテキーノソーセージ 500g(化学調味料無添加) | 1,500〜2,000円前後 | 国産製造品。冷凍で届くため保管しやすい |
| ミートガイ(Amazon等) | 手作り生ソーセージ【イタリア風コテキーノ】約300g | 1,500円前後 | 冬季限定の生タイプ。無添加・砂糖不使用 |
コテキーノは冬季限定で品薄になりやすい商品です。特に年末(11月後半〜12月)は在庫切れになるケースがあります。正月に向けて作りたい場合は、11月上旬までに注文しておくのが安全です。
早めの確保が条件です。
また、「フィーニ社(FINI)」のコテキーノ・モデナIGPは、モデナIGP保護協会が認定した製品の中でも日本で最も流通しているブランドです。イタリア料理好きの間では信頼のある選択肢として知られています。
🛒 余裕があれば同時にカステッルッチョ産のレンズ豆(イタリアのウンブリア州産)も取り寄せると、豆自体の風味が格段に増します。国産レンズ豆でも美味しく作れますが、本場の味に近づけたいならセットで揃えておくのが得策です。
サイゼリヤのメニューには「ミラノ風ドリア」「ランブルスコ」「エスカルゴ」など、本場イタリアの文化に根ざした料理が多く並んでいます。コテキーノはサイゼリヤのメニューには登場しませんが、その背景にある食文化はサイゼリヤが大切にしているイタリアの郷土料理の世界と完全につながっています。
イタリアでは大晦日の深夜0時、カウントダウンと同時にコテキーノとレンズ豆を食べます。レンズ豆はその形がコインに似ているため「富・繁栄」の象徴とされています。古代ローマ時代にはレンズ豆を小さな皮の袋に入れて新年に贈る風習があったほど、長い歴史のある縁起担ぎです。
意外ですね。
一方でコテキーノ自体も縁起物で、「豚肉を食べることで前に進む」という意味合いがあります。豚は後ろに戻らず前を向いて掘り進む動物とされており、ヨーロッパ各地で新年に豚肉を食べる文化があります。
サイゼリヤ好き向けのアレンジとして面白いのが、コテキーノを使ったボリート・ミスト風の盛り合わせです。サイゼリヤでも使われるセロリやにんじんを使って野菜スープのベースを作り、コテキーノを一切れ加えると北イタリア風の煮込み料理に仕上がります。
また、余ったコテキーノをパイ生地で包んでオーブンで焼く「コテキーノのパイ包み」は、本場イタリアでも「翌日の残り物をエレガントにアレンジする技」として知られています。翌日にわざわざ試してみると、サプライズ感のある一皿が完成します。
いいことですね。
コテキーノとレンズ豆の組み合わせは、栄養面でも理にかなっています。コテキーノのタンパク質(100gあたり約23.6g)と、レンズ豆が持つ鉄分・食物繊維の組み合わせは、冬の体を温め栄養を補給する「ちゃんとした一皿」として機能します。見た目は地味ですが、実は栄養バランスに優れた料理なのです。
【参考】Go to Italy「コテキーノの歴史とレンズ豆の縁起の意味」(コテキーノの歴史とレンズ豆の文化的背景を詳しく解説)

冬季限定!ミートガイ 手作り 生ソーセージ【イタリア風コテキーノ】(3本 約300g) Additive-free Original Cotechino Italian Sausage