輸入レモンの皮をそのまま使うと、防カビ剤を口に入れてしまいます。
グレモラータとは、刻んだイタリアンパセリ・すりおろしたレモンの皮・みじん切りにしたニンニクを混ぜ合わせたイタリアの伝統的な薬味ソースです。語源はミラノ方言の「グレモラ(粒状にする)」に由来し、北イタリアのミラノ料理を代表する調味料として長い歴史を持ちます。
もともとこのソースは、「オッソブーコ・アッラ・ミラネーゼ」という仔牛のすね肉の煮込み料理に添えるために生まれました。濃厚に煮込まれた肉の旨みに、レモンの酸味とパセリの清涼感をプラスする役割を担っており、料理の仕上げにひとつまみのせるだけで全体の印象が一変します。これが原則です。
グレモラータをパスタに応用したのは比較的最近のことで、特にイタリア国外の料理人やレシピブロガーたちが「万能調味料」として使い始めたことで広まりました。シンプルながら香りが豊かで、パスタにかけると風味が格段にアップするとSNSでも注目されています。これは使えそうです。
材料は3つだけで、作業時間は5分以内。包丁とまな板があれば特別な道具は一切不要という手軽さも、人気の理由のひとつです。
| 材料 | 分量(2人前) | ポイント |
|---|---|---|
| イタリアンパセリ | 10〜15g | 葉の部分だけをみじん切りに |
| 国産レモンの皮 | 1個分 | 黄色い表皮のみ使用(白いわたは苦い) |
| にんにく | 小さじ1/4〜1/2 | 生のみじん切りで香りを出す |
| オリーブオイル | 大さじ1〜2 | エクストラバージンがおすすめ |
| 塩・黒こしょう | 適量 | 仕上げに味を整える |
上記の割合はあくまで目安です。パセリの量を増やすと青みが強まり、レモンの皮を多くすると爽やかな柑橘香が立ちます。好みに応じて少しずつ調整してみてください。
なお、グレモラータはパスタの「ソース」というより「トッピング兼調味料」として使うイメージが正解です。パスタを皿に盛り付けた後に仕上げとして散らすことで、香りが飛ばずに楽しめます。
参考:グレモラータの基本とオッソブーコへの使い方について、ミラノの伝統レシピをベースにした解説が掲載されています。
サイゼリヤで長年愛されているパスタのおいしさの秘密は、デュラム小麦のセモリナ粉100%の乾麺にあります。公式サイトによれば、1795年創業のナポリ・グラニャーノの老舗メーカーが手がける伝統製法で、低温でゆっくり乾燥させることで小麦本来の香りとコシを残しています。自宅でグレモラータパスタを再現する際も、このクラスの乾麺を選ぶと仕上がりに差が出ます。
スーパーで手に入るブランドでいえば、ディ・チェコ(De Cecco)やバリラ(Barilla)のスパゲッティ1.7〜1.9mmが特に相性が良いです。茹で時間は袋の表示より1分短くするのが基本です。アルデンテ(中心に少し芯が残る状態)で上げてからソースと絡めるとちょうどいい食感になります。
以下が、サイゼリヤ好きでも満足できる自宅版グレモラータパスタの手順です。
シンプルですが、このレモン&パセリの爽やかさがパスタ全体をぐっと引き締めます。仕上げのオリーブオイルを少量追加すると、よりサイゼリヤのような艶やかな仕上がりに近づきます。
また、よりボリュームを出したい場合は、アンチョビ(缶詰3〜4枚)をフライパンで炒めてオイルに旨みを移してからパスタと絡めると、塩味と深みが格段にアップします。いわゆる「シチリア風」アレンジで、パン粉をカリカリに炒めたものを一緒に散らすと食感のアクセントにもなります。
つまり、グレモラータは「最後にのせる」が原則です。
参考:サイゼリヤのパスタへのこだわりと産地情報が詳しく解説されています。
グレモラータの要となるのはレモンの皮です。ここで多くの人がやりがちな落とし穴があります。スーパーで安く売っている輸入レモンをそのまま使ってしまうことです。
輸入レモンには、長距離輸送中のカビを防ぐために「OPP(オルトフェニルフェノール)」「TBZ(チアベンダゾール)」「イマザリル」といった防カビ剤(ポストハーベスト農薬)が皮の表面に使われているケースがほとんどです。果汁として使う場合はそれほど問題視されませんが、皮を直接料理に使うグレモラータの場合は話が変わります。防カビ剤は皮に集中して残留しており、しっかり洗っても30〜70%程度しか除去できないと言われています。厳しいところですね。
この問題を避けるために最も確実なのは、国産の無農薬レモンまたはノーワックスレモンを選ぶことです。国産レモンは皮が薄く香りが豊かで、グレモラータの風味が一層引き立ちます。広島県や愛媛県産のものが流通量も多く入手しやすいです。
どうしても輸入レモンしか手に入らない場合は、以下の洗い方で表面の防カビ剤をできる限り落とせます。
なお、輸入レモンの防カビ剤については食品安全委員会の基準値内であり、「危険かどうか」という点では過度に心配する必要はありません。ただし皮をそのまま食べる用途では、国産を使う方がより安心感があります。国産ならそのまま使えば問題ありません。
参考:輸入レモンの防カビ剤と安全な洗い方について、農家目線での詳細が確認できます。
基本のグレモラータパスタに慣れてきたら、アレンジを加えることでバリエーションが広がります。サイゼリヤのメニュー構成からヒントを得ると、自宅でも飽きずに楽しめます。
まず注目したいのが「和風グレモラータ」アレンジです。レモンの代わりに柚子の皮、パセリの代わりに大葉を使い、ニンニクは控えめにして白だしを少量加えると、和の食材がグレモラータの役割を担います。柚子の爽やかな香りとパスタの組み合わせは意外なほどマッチします。意外ですね。
次に、「エビ×グレモラータパスタ」の組み合わせです。サイゼリヤでも人気の小エビを使い、オリーブオイルとニンニクで炒めた後にグレモラータを仕上げにのせると、タラコソース系とはまた違った爽やかな海鮮パスタが完成します。エビのうまみとレモンの酸味が互いを引き立て合います。
また、パン粉を活用する「モリーカ仕立て」も試してほしいアレンジです。フライパンでパン粉をオリーブオイルと一緒にきつね色になるまで炒めたものをグレモラータと合わせてパスタの上に散らすと、カリカリした食感が加わってメリハリが出ます。これはシチリア地方の伝統的な食べ方で、チーズをかける代わりにパン粉を使う「貧しい人のチーズ」とも呼ばれます。
サイゼリヤのテーブルにあるペペロンチーノソースを軽くかけてから、グレモラータを散らすという組み合わせも面白いです。辛みと爽やかさが同時に楽しめます。これも使えそうです。
| アレンジ名 | 追加・変更食材 | 特徴 |
|---|---|---|
| 和風グレモラータ | 柚子皮+大葉+白だし | 和の爽やかさがパスタに馴染む |
| エビ×グレモラータ | 小エビをニンニクオイルで炒め追加 | 海鮮の旨みとレモン香が合う |
| シチリア風モリーカ | 炒りパン粉をグレモラータと一緒に | カリカリ食感のアクセントに |
| アンチョビ×グレモラータ | アンチョビ缶3〜4枚をオイルに溶かす | 塩味と旨みが深くなる |
グレモラータは一度作れば冷蔵庫で2〜3日保存できます。密閉容器に入れてオリーブオイルを少量多めに加えておくと、空気との接触が減って変色しにくくなります。週末に多めに作っておき、平日のパスタにさっと添えるだけという使い方が特に便利です。作り置きできるのは助かりますね。
サイゼリヤが長年研究してきたことのひとつに、「シンプルな料理をいかに最高においしく食べるか」というテーブルアレンジがあります。イタリア人スタッフのマッシさんが紹介した「チーズとオリーブオイルを重ねがけする」手法が話題になりましたが、グレモラータパスタにも同様のテーブルアレンジが有効です。
まず、パスタを皿に盛り付けた後に粉チーズを一度かけます。次にグレモラータをその上に散らし、さらにエクストラバージンオリーブオイルを細く回しかけます。30秒ほど待ってから食べ始めると、チーズが少し溶けてグレモラータの香りと混ざり合い、風味が一体化します。チーズは後乗せが原則です。
パルメザンチーズ(パルミジャーノ・レッジャーノ)を使うと本格感が出ますが、市販の粉チーズでも問題ありません。サイゼリヤ店内で使われている粉チーズと同様のタイプを選ぶのがコツです。
また、食べている途中で黒こしょうをひきたてで足すと、香りが一段と豊かになります。サイゼリヤに置いてあるミルタイプのペッパーグラインダーを自宅にも用意しておくと、料理全体のレベルが上がります。
仕上げのひと手間として覚えておきたいのは、レモン果汁を数滴だけパスタに直接たらすことです。グレモラータの皮の香りに加えて、果汁の爽やかな酸味がプラスされ、全体の輪郭がよりくっきりします。ほんの2〜3滴で十分です。やりすぎると酸っぱくなるので注意が必要ですが、適量なら問題ありません。
グレモラータパスタは食材費も安く、2人前で材料費は500円以下に収まるのも魅力です。サイゼリヤ感覚で気軽に楽しめるパスタとして、ぜひ週1ペースで作る習慣にしてみてください。
参考:サイゼリヤのパスタ公式アレンジや楽しみ方のヒントが掲載されています。