サイゼリヤのピッツァはマルゲリータだけじゃないと知ると、注文の幅が一気に広がります。
「ビアンカ(bianca)」はイタリア語で「白い」を意味する女性単数形の形容詞です。ピッツァビアンカとは、直訳すれば「白いピッツァ」ということになります。見た目が白っぽいことから名づけられており、その白さがすべての特徴の根幹にあります。
つまり、ビアンカかどうかの判断基準はシンプルです。トマトソース(赤)が入っていなければ、それがビアンカです。
ではなぜ「白い」のかというと、トマトソースを使わないからです。一般的なピッツァはトマトソースを塗ることで赤みを帯びますが、ビアンカはそれを使わない分、チーズ・オリーブオイル・生地そのものの白や淡いクリーム色が前面に出ます。実際、ローマのパン屋や路面のピッツェリアでは、塩とオリーブオイルだけで焼いた生地そのものを「ビアンカ」として販売し、地元の人がパンの代わりに食べる習慣があります。
ちなみに、男性名詞に対して使う場合は「ビアンコ(bianco)」と変化します。白ワインを「ヴィーノ・ビアンコ」と呼ぶのと同じ語源です。ピッツァは女性名詞なので「ビアンカ」が正しい形です。
サイゼリヤではこの考え方が随所に生きており、メニュー名をじっくり見ると「トマトソースあり(ロッサ系)」か「トマトソースなし(ビアンカ系)」かで風味の方向性が大きく変わることに気づきます。これはかなり使えます。
ピッツァビアンカと対になる言葉が「ピッツァ・ロッサ(pizza rossa)」です。「ロッサ」はイタリア語で「赤い」を意味します。つまりトマトソースを使った赤いピッツァのことで、マルゲリータやマリナーラなどが代表例です。
イタリア、特にローマのピッツェリアでは、メニューをこの2つのジャンルに分けて表記するスタイルが広く浸透しています。見た目の色以上に、風味の方向性が根本的に異なります。
日本では「ホワイトピザ」とも呼ばれますが、実はホワイトソース(ベシャメルソース)を使ったものだけがビアンカではありません。ソース自体を塗らず、チーズと食材だけを直接生地に乗せて焼くスタイルもビアンカです。
重要なのは「トマトソースを使わない」という一点だけです。
サイゼリヤでもこの分類は応用できます。マルゲリータやパンチェッタのピッツァはロッサ系ですが、チーズや生ハムをメインにしたピッツァはビアンカ系の発想に近く、オリーブオイルと岩塩をかけて食べることでよりビアンカらしい風味になります。
ピッツァ・ビアンカの特徴と食べ方(管理栄養士監修)|オリーブオイルをひとまわし
ピッツァビアンカの起源は古代ローマまでさかのぼると言われています。古代ローマ人は平らな小麦生地を焼いてオリーブオイルや塩、ハーブを乗せて食べる習慣を持っていました。これがピッツァビアンカの直接の祖先とされています。
歴史が深い、ということですね。
現代においてもローマのビアンカは街の文化と切り離せません。ローマ市内のパン屋(フォルノ)では、朝から四角い鉄板で焼かれたビアンカが並び、学生や会社員が昼食として買い求めます。ローマっ子にとってビアンカはピッツェリアで注文する特別なものではなく、毎日のパン代わりの食べ物です。
ナポリのピッツァが「丸くて薄い」フォーマットを確立したのに対し、ローマのビアンカは「四角い鉄板で焼く」形式が一般的です。これがローマ式(ロマーナスタイル)と呼ばれる独自の文化です。
ナポリピッツァはUNESCOの無形文化遺産(2017年登録)にも認定されるほど世界的な地位を確立していますが、ローマのビアンカは同じイタリアでも全く異なる文脈で育ってきた食文化です。生地の食感もナポリのふわもちとは違い、ローマ式はカリッとした薄生地が特徴的です。
サイゼリヤはイタリア・ミラノ近郊に工場を持つ本格路線のチェーンですが、そのルーツにはこういったイタリア各地の食文化への理解が込められています。
ビアンカはトッピングが決まっていないため、組み合わせ次第でまったく異なる一皿になります。これが使えます。
本場イタリアで人気の定番トッピングと、サイゼリヤでの応用方法を合わせて紹介します。
| 🍕 トッピング | 🤍 ビアンカとの相性 | 💡 サイゼリヤでの応用 |
|---|---|---|
| 生ハム(プロシュート)+ルッコラ | ◎ 塩気とほろ苦さのコントラストが最高 | プロシュートをピッツァにトッピング注文 |
| モッツァレラ+バジル(マルゲリータ・ビアンカ) | ◎ フレッシュトマトを使うと酸味を自然に足せる | バッファローモッツァレラのピッツァで応用 |
| ローズマリー+オリーブオイル+岩塩(最シンプル) | ◎ 生地本来の香ばしさを一番楽しめる | 卓上のオリーブオイル+シチリア産岩塩でいける |
特にサイゼリヤで試してほしい食べ方が、ピッツァ(トマトソース不使用系)にオリーブオイルとシチリア産岩塩をかけるだけのアレンジです。追加費用ゼロで、グッとビアンカらしい風味に近づきます。
生ハムとルッコラの組み合わせは、プロシュートの塩気とルッコラのほろ苦さが絶妙に絡み、さらにモッツァレラのクリーミーさが全体をまとめます。この3つを一緒に口に入れると、ひと口ごとに異なる風味の層が楽しめます。これは実際にやってほしいです。
リコッタチーズを使うのも定番です。リコッタの淡白でミルキーな味わいはビアンカの生地と相性が良く、上からハチミツを一回しかけるとデザートピッツァとしても楽しめます。
サイゼリヤのピッツァメニューを眺めると、実はビアンカ的な楽しみ方ができる注文の組み合わせが複数あります。これを知っているかどうかで、同じ料金でも満足度が変わります。
まず前提として、サイゼリヤのピッツァはすべて税込400円前後という圧倒的なコスパを誇ります。「バッファローモッツァレラのマルゲリータピザ」は税込400円(2026年3月現在)で提供されており、水牛のミルク100%で作ったモッツァレラチーズを使った本格仕様です。
ビアンカ系の楽しみ方としておすすめな手順はこうです。
さらに上級者向けの知識として、サイゼリヤでは「Wチーズ」でのカスタム注文が可能な場合があります。通常料金に約100円プラスでチーズを増量できるため、よりビアンカらしいチーズの濃厚さを味わえます。注文の際に店員さんに確認してみましょう。
卓上のオリーブオイルは実は本格仕様です。イタリア・ミラ社のオリーブオイルをサイゼリヤは独自に仕入れており、スパイシーな香りが特徴的です。ピッツァの焼き上がりにひと回しかけるだけで、風味がグッと引き締まります。これが基本です。
コストを最小限に抑えながら本場ビアンカに近い体験ができるのが、サイゼリヤの隠れた魅力です。
サイゼリヤの完全攻略マニュアル(イタリア人ライター・マッシ監修)|note
「トマトソースを使わないからカロリーが低そう」と感じる方は多いのですが、これは状況によって正確ではありません。
ビアンカはソースを使わない分、チーズやオリーブオイルをたっぷり使うスタイルが多いです。特にクリームソース(ベシャメルソース)をベースにした場合、バターと小麦粉と牛乳を煮詰めたソースが加わるため、カロリーはトマトソース系を上回ることがあります。
シンプルなマルゲリータは1人分で540kcal前後が目安とされています(直径20cm程度の場合)。一方、クリームソースをたっぷり使ったビアンカは同じサイズでも600〜700kcal台になることもあります。
厳しいところですね。
ただし、本来のローマ式ビアンカ(塩+オリーブオイルのみ)は話が別です。生地+オリーブオイル+塩だけというシンプルな構成は、比較的カロリーが抑えめです。またトマトソースを使わないことで、トマトの酸化リコピン効果は期待できませんが、オリーブオイルのオレイン酸や抗酸化ビタミンEが多く摂れます。
サイゼリヤでヘルシー志向でビアンカを楽しむなら、ピッツァにオリーブオイルと岩塩だけをかけて、サイドに「柔らか青豆の温サラダ」や「小エビのサラダ」を組み合わせるのが賢い選択です。野菜の栄養と生地のタンパク質・炭水化物をバランスよく摂れます。これが条件です。
ビアンカを選ぶ際は「何を乗せるか」によってカロリーが大きく変動すること、これだけ覚えておけばOKです。
ピザのカロリーと糖質・ヘルシーに食べるコツ(管理栄養士監修)|ふるなび