コストコのパスタを「茹でるだけ」で使っていると、1袋あたり約250円分の美味しさを損しています。
ファッロ(Farro)とは、古代ローマ時代から食されてきたイタリアを代表する穀物です。現代の小麦の祖先にあたり、スペルト・エンマー・ディコッコという3種の「籾殻付き小麦」の総称として使われています。現代品種と比べて外皮が厚く、プチプチとした独特の食感が最大の特徴です。
サイゼリヤのメニューが好きな方なら、「レンズ豆とスペルト小麦のミネストローネ」を覚えている人も多いかもしれません。このスペルト小麦こそがファッロの一種であり、サイゼリヤはイタリア本場の食文化を忠実に再現した結果、古代小麦をメニューに取り入れていたのです。つまりファッロは、サイゼリヤで感じたあの素朴なイタリアらしさの源泉ともいえる食材です。
イタリア語の「Farro(ファッロ)」は「殻付き」を意味し、古代ローマ軍の兵士たちが遠征時に携行した主食でもありました。歴史は7,000年以上にのぼります。
現代では健康志向の高まりとともに再注目されており、トスカーナやウンブリア州では「ズッパ・ディ・ファッロ(ファッロのスープ)」として郷土料理に今も根付いています。サイゼリヤ好きにとっては、お店で出てくるあの素材感あふれる一皿をおうちで再現できる、ちょっと特別な食材です。
「ファッロ=スペルト小麦」と紹介されることもありますが、厳密には3種類をまとめた総称なので注意が必要です。
| 種類 | イタリア語名 | 特徴 |
|---|---|---|
| スペルト小麦 | Farro Grande | 粒が大きく風味豊か |
| エンマー小麦 | Farro Medio | 中型・栄養バランス優秀 |
| ディコッコ小麦 | Farro Piccolo | 小粒・消化しやすい |
イタリアで最もよく使われるのはエンマー種(ファッロ・メディオ)で、家庭料理からリストランテまで幅広く活躍しています。これが基本です。
ファッロの基本知識をさらに深掘りするなら、下記のサイトが参考になります。
ファッロとはどんな穀物?|イタリア料理に欠かせない伝統食材の正体(secondocasa-okinawa.com)
ファッロの3種類の分類・栄養成分・精麦度の違いまで丁寧に解説されています。
コストコでファッロと直接関係する商品として最も有名なのが、イタリアブランド「ガロファロ(GAROFALO)」のオーガニックスパゲッティです。ガロファロは1789年創業というイタリア屈指の老舗パスタメーカーで、コストコでは長年にわたりロングセラー商品として販売されています。
商品の基本スペックは次のとおりです。
1袋500gが約247円(1,980円÷8袋)で手に入る計算になります。市販のオーガニックパスタが1袋500g前後で400〜800円前後することを考えると、相場の半額以下というコスパの良さです。
このパスタの最大の特徴は、表面のザラつきです。一般的なパスタはツルツルした表面のものが多いのですが、ガロファロはブロンズダイス(青銅製の型)で製麺することで、細かな凹凸が麺の表面に生まれます。このザラつきのおかげでソースが麺にしっかり絡み、クリーム系・トマト系・卵系いずれのソースとも相性抜群です。プロのシェフがこだわる製法です。
茹で加減はやや繊細で、11分をオーバーするとモチモチ感が失われてしまいます。タイマーをセットして茹で時間の管理を徹底するのが、美味しく仕上げる最大のコツです。
なお、コストコではスパゲッティ以外にも「ガロファロ オーガニック バラエティパスタ(ペンネ・フジッリ・リガトーニなど6袋セット)」も販売されており、サイゼリヤのペンネアラビアータ好きにはそちらも要チェックです。
コストコ公式:ガロファロ オーガニック スパゲッティ 500g x 8
コストコ公式サイトで最新の在庫状況・価格を確認できます(倉庫店とオンラインで価格が異なる場合があります)。
サイゼリヤのパスタが好きな方の中には、「美味しいけど糖質が気になる」という声も少なくありません。そこで注目したいのが、ファッロの低GI特性です。
ファッロ100gあたりの主な栄養成分は以下の通りです。
| 栄養素 | 含有量(100gあたり) | 特徴 |
|---|---|---|
| エネルギー | 約330〜340kcal | 白米とほぼ同等 |
| たんぱく質 | 約12g | 一般小麦粉より豊富 |
| 食物繊維 | 約6g | 白米の約6倍 |
| マグネシウム | 約130mg | 代謝を助けるミネラル |
| ビタミンB群 | 豊富 | 疲労回復・神経機能をサポート |
食物繊維が白米の約6倍というのは驚きですね。
ファッロは精製度の低い古代穀物のため、外皮や胚芽に残った栄養素が豊富に摂取できます。食後の血糖値上昇を緩やかにするGI値の低さも魅力で、白米や通常のパスタと比べて血糖値スパイクが起きにくいとされています。サイゼリヤのパスタが好きで「食後に眠くなりやすい」という人には、ファッロ系パスタを試してみる価値があります。
また、ファッロはグルテンを含んでいますが、現代の品種改良された小麦よりもグルテンの構造が単純で、消化しやすいといわれています。ヨーロッパで行われた30年間にわたる調査では、小麦アレルギーを発症しにくいという結果も報告されているほどです。ただし、セリアック病や小麦アレルギーの方には適しません。ここだけは注意が必要です。
腸内環境の改善・満腹感の持続・コレステロール値の改善効果も期待されており、健康志向の強いヨーロッパやアメリカではすでに「スーパーフード」の一つとして定着しつつある食材です。
食物繊維・ビタミン・ミネラル豊富な「ファッロ(古代麦)」で健康を(OurAge)
ファッロの栄養成分と健康へのメリット、日常への取り入れ方を専門家監修のもとで解説しています。
コストコのガロファロはデュラム小麦のパスタですが、ファッロ粒(グレイン)は別途カルディや成城石井、通販で購入することができます。粒のまま調理するとリゾット風・サラダ・スープと幅広く使えて、サイゼリヤのあの素朴な一皿を自宅で再現できる力があります。
基本の炊き方は次の流れで覚えておくだけでOKです。
精麦のタイプによって調理時間が大きく変わります。これが条件です。
| タイプ | イタリア語表記 | 茹で時間の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 精白(軽め) | Perlato | 約15〜20分 | 柔らかめ・消化しやすい |
| 半精麦 | Semi-perlato | 約25〜30分 | 食感・栄養のバランス良し |
| 全粒 | Integrale | 約40〜60分 | 栄養価最高・風味豊か |
日常使いには「半精麦(セミペルラート)」が一番バランスが良くおすすめです。
炊飯器を使う場合は白米モードで水量を1.2倍にすると、ちょうど良い仕上がりになります。圧力鍋なら加圧10〜12分で大幅に時短できます。これは使えそうです。
朝のうちにまとめて炊いておけば、夜はサラダやスープのトッピングとしてすぐ使えます。1回に100g程度(乾燥状態)茹でると2〜3人分になる計算なので、一人暮らしの方は小分け冷凍保存が便利です。
ファッロはイタリア家庭料理の定番食材なので、サイゼリヤで食べてきた味覚とそのまま相性が良い食材です。「あの店の雰囲気を家で出したい」という気持ちを叶えてくれるレシピを3つ紹介します。
① インサラータ・ディ・ファッロ(ファッロのサラダ)
茹でて冷ましたファッロ粒100gに、ミニトマト・モッツァレラチーズ・ブラックオリーブ・バジルを合わせ、エクストラバージンオリーブオイルとレモン汁で和えるだけです。サイゼリヤの「カプレーゼ」に近い爽やかな味わいで、夏の前菜や副菜にぴったりです。冷蔵で2日保存できるため、作り置きにも最適です。
② ファッロット(古代小麦のリゾット風)
オリーブオイルで玉ねぎをしんなりするまで炒め、半分洗ったファッロ粒を加えてさらに1〜2分炒ります。野菜ブロードを少しずつ加えながら20〜25分煮込み、仕上げにパルミジャーノレッジャーノをたっぷりかければ完成です。サイゼリヤの「ミラノ風ドリア」に通ずる、濃厚でクリーミーな一皿になります。
③ ファッロ入りミネストラ(具だくさんスープ)
玉ねぎ・にんじん・セロリ・缶詰トマトを煮込み、そこにファッロ粒を加えてさらに20分ほど煮るだけです。豆類やベーコンを加えると「サイゼリヤのスープ風」にぐっと近づきます。食物繊維もたっぷり摂れるので、夜遅い食事でも胃腸に負担をかけにくいのが特徴です。
サイゼリヤ的なアレンジとして特に人気なのが、コストコのガロファロパスタをアマトリチャーナソース(トマト・グアンチャーレ・ペコリーノ)で仕上げる方法です。太めの1.9mm麺とザラつき表面がソースをしっかり絡み取り、「これがプロの仕上がりか」と感じるレベルになります。ソースの絡みが全然違います。
なお、ガロファロはクリーム系・卵系ソースとの相性が特に高く、ペペロンチーノのようなシンプルなオイル系には少し麺の主張が強く出ることがあります。ソースの選び方次第でまったく違う料理に変わる、そこがガロファロの醍醐味です。
ファッロとも呼ばれるスペルト小麦の健康効果と料理への応用(Storie d'Italia)
スペルト小麦(ファッロ)を使ったパスタ料理の健康上のメリットと具体的な調理法について、イタリア食文化の視点から解説されています。
コストコでのまとめ買いは魅力的ですが、ファッロ系商品に限らず「買ったけど使い切れなかった」という失敗は避けたいところです。賢く購入して無駄なく使うための知識を整理しておきましょう。
まず、コストコのガロファロ オーガニックスパゲッティは1セット4kg(500g×8袋)という大容量です。2〜3人の家族が週2〜3回パスタを食べるペースで約2〜3か月分に相当します。一人暮らしの方は友人や家族と割り勘するのが賢い買い方です。
保存面では、以下の点を押さえておくと安心です。
ファッロ粒(グレイン)を別途購入した場合は、未開封なら常温で6か月〜1年保存可能です。開封後は密閉容器に乾燥剤を一緒に入れ、冷蔵庫の野菜室に保管するのが安心です。
一方で、コストコのガロファロはオンライン在庫が倉庫店と異なる場合があります。在庫がない時期には、楽天市場やAmazonで単品購入という選択肢もあります。割高にはなりますが、少量ずつ試して好みを確かめてから大容量を買う戦略も合理的です。
ファッロ粒はカルディや成城石井でも取り扱いがあり、500gで700〜1,200円前後が相場です。まず一袋試してみて、サラダやスープに取り入れながら使い切り、気に入ったら通販でまとめ買いするのがおすすめの流れです。意外と使い勝手が良いです。
最終的に、コストコのガロファロは「大容量・低価格・高品質」の三拍子が揃った商品であり、サイゼリヤが好きなパスタ好きにとって外れのない選択です。ファッロ粒と組み合わせることで、イタリア現地さながらの食卓が1,000円台で実現できます。これが最大のメリットです。